お葬式では聞きなれない言葉をよく耳にします。
葬儀用語を五十音順でまとめていますので、ぜひご利用ください。
箸渡しとは、火葬が終了した後で遺骨を骨壺に納める際に、近親者が執りおこなう儀式のことです。遺骨を長い箸で拾い、骨壺に納める形で進めます。箸渡しについては、日本独特の風習であって「箸」を「橋」にかけて、故人があの世で渡ることになる三途の川にこの世から橋を渡してあげるという意味があり、供養の一種として執りおこなうのです。
箸渡しの作法には、以下のようなパターンがあり、地域や火葬場によって作法が異なります。
①一人が遺骨を箸で拾ってもう一人が箸で遺骨を受け取り骨壺へ納める
故人と血縁の近い順番で、男女ペアとなります。そして、一人が箸で遺骨を拾い上げてその遺骨をもう一人の箸に渡してください。遺骨を渡された人は、そのまま遺骨を箸で骨壺に納めます。男女のペアは、数回骨拾いした後で入れ替わります。
②2人が同時に遺骨を箸で拾って骨壺に納める
男女がペアとなって、2人で同時に同じ遺骨を箸で拾い、そのまま骨壺に納めます。数回骨拾いを実施した後に、ペアが入れ替わります。
③親族が血縁順に並んで箸から箸へと遺骨を渡していく
親族が血縁順に一列に並んで、先頭の1人が遺骨を箸で拾った後に、から箸へと遺骨を受け渡します。そして、最後の1人が骨壺へ遺骨を納めます。
箸渡しは、以上のように葬儀で行われる慣習であるため、普段の生活で箸から箸へ料理を受け渡す所作は、収骨室における箸渡しを想像させるためマナー違反となるため注意してください。
初盆とは、故人が亡くなられてから四十九日法要が終わった後、次に迎える最初のお盆のことを指します。初盆は、新盆とも呼ばれており、特に厚く供養する風習があります。地方によって異なるものの、初盆の家では門口や仏壇、お墓に白一色の盆提灯を立てるのが一般的です。
また、提灯を贈って特別の儀礼を執りおこない、初盆以外の時には、模様のある盆提灯やお墓には白と赤の色が入った提灯を立てる風習があります。一般的な8月にお盆を行う場合、8月13日にご先祖様をお迎えするため。お盆飾りなどの準備を完了させておきましょう。
そして、準備しておいたお供えを、祭壇を中心として盛大にお供えしてください。ご先祖様を迎える際には、迎え火と呼ばれるホーロクという素焼きのお皿におがらという麻の茎を乗せ、火を点けてお迎えします。さらに、白紋天と盆提灯に灯りをつけましょう。
お盆の中日となる14日と15日には、新盆では主に法要を執りおこなったり親族と会食したりして、故人を偲んで過ごします。そして、16日の送り盆では送り火でご先祖様を送り出し、お盆飾りの片付けをおこなってください。
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花祭壇とは、従来の白木祭壇とは異なりお花で飾られた祭壇のことを指します。花祭壇は、近年特に人気を高めている形式となり、古来からの祭壇とは形式や見た目が異なります。一般的なイメージとしては、お寺であれば本尊が置かれて、葬儀会場であれば遺影が中央に置かれて、その前に香炉などの仏具が並べられるのが一般的です。
そして、左右に果物や砂糖菓子などの供物が並べられて、祭壇の脇を遺族や親族、知り合いなどから贈られたスタンド花やアレンジメントなどの供花が添えられます。一方で、花祭壇の場合は祭壇そのものに生花を直接飾り付ける形式となります。
花祭壇の形式には、葬儀社と提携したフラワーショップなどが考案した、バリエーション豊かなスタイルが存在します。花祭壇に飾る花としては、宗教上の決まりを重視して選定されていましたが、最近では比較的自由に選択されるケースが多いです。
時代が変化して海外の花が多く輸入されるケースが増えており、それに比例して葬儀でも多くの種類の花が使用されるようになりました。ただし、日蓮正宗の葬儀においては今でも樒以外の植物の使用は禁止されています。
花祭壇では、故人らしさを演出できるなどのメリットがあり、花祭壇が増加している理由の一つとなっています。
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