お葬式では聞きなれない言葉をよく耳にします。
葬儀用語を五十音順でまとめていますので、ぜひご利用ください。
六文銭とは、1912年以前の中国や1953年末以前の日本などで使用されていた、1文相当の銭貨が6つある様子のことを指します。また、日本における仏葬の副葬品である冥銭のことも六文銭と呼ばれています。六道銭とも呼ばれており、三途の川の渡し賃や、六道にそれぞれ存在する6体の地蔵菩薩に1文ずつ渡すためなどと言われているのです。
葬儀においては、死装束で用いられる頭陀袋の中に収納した状態で棺に納めるのが一般的です。古くは本物のお金を使用していた時代もありましたが、現代社会においては使用されていない貨幣や火葬をしても燃え残る関係上、本物を入れることはありません。
六文銭は、仏教の六道銭が由来という説が有力です。六道とは、以下6つの世界のことです。
仏教の世界においては、人は六道の中で生まれ変わりを繰り返すと信じられています。どの世界でも救いの手を差し伸べてくれる六地蔵のへのお賽銭が、六道銭なのです。後に、これが三途の川の渡し賃になったとされています。さらに、六道銭から六文銭へと呼び方も変化したのです。
なお、戦国武将として人気の高い真田幸村で有名な真田家の家紋に、六文銭(六連銭)が採用されていることで有名です。ルーツは、本家筋の海野家の家紋であると考えられていますが、真田家としても合戦で命を落とすことを恐れないという意味で、六文銭を旗印や兜の飾りとしていたのです。