お葬式では聞きなれない言葉をよく耳にします。
葬儀用語を五十音順でまとめていますので、ぜひご利用ください。
頭陀袋とは、頭陀をする僧が経巻や僧具、布施物などを入れて首にかける袋のことです。また、亡くなられた方を葬る際に首にかける袋のことを指します。頭陀とは、梵語のドゥータの漢訳音写となり、仏教の僧侶が行う修行のことを指します。よって、頭陀袋の本来の意味としては、頭陀行をおこなう僧侶が携行用に用いた袋のことを指すのです。
頭陀袋は、三衣袋、衣嚢、打包とも飛ばれることがあります。比丘が山野を行脚する際に僧伽梨・鬱多羅僧・安陀会という3つの衣が汚れないように入れたもの隣、本来の用途としては僧衣を入れるための袋でした。
ただし、次第に衣だけでなく行乞で供養したものや仏具なども入れるようになったのです。現代にも存在するズタ袋は、ここに由来すると言われています。また、後世になり仏式葬儀において、死者の首から提げる袋についても頭陀袋と呼称するようになりました。
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頭北面西とは、頭を北向きに、顔面を西に向けて遺体を安置することを指します。頭北面西の正式名称は、頭北面西右脇臥と呼びます。釈迦様の最期の姿を描いた「涅槃図」において、頭を北にして顔を西に向けて横たわった姿で描かれています。
この姿勢が、煩悩を克服して悟りの境地に至った状態とされていることから、安置する際にはこの姿勢をとるようになったと言い伝えられています。古くは、日本や中国において位が高い僧侶などの場合、頭北面西が用いられていましたが、仏教では基本的に遺体は北枕にして安置します。
北枕とは、頭が北の方向に向くように安置して指を胸元で組む姿勢のことを指します。家の間取りなどによっては、北枕にすることが難しいケースがありますが、その場合は西枕が採用されています。頭北面西が側臥位という形になるのに対して、北枕は仰向位となりますのでまったく同じ姿勢を指しているわけではありません。