お葬式では聞きなれない言葉をよく耳にします。
葬儀用語を五十音順でまとめていますので、ぜひご利用ください。
華厳宗は、中国大乗仏教の宗派のひとつとして知られており、杜順を開祖とする宗派です。「大方広仏華厳経」を所依の経典としており、独自の教学体系を確立した宗派として知られています。中国を起点として、韓国や日本、ベトナムにも広まった歴史があります。
日本仏教における華厳宗としては、審祥により736年に伝えられたとされています。南都六宗の一つであり、東大寺盧舎那仏像(奈良の大仏)が建立されたことでも有名です。華厳宗の本尊は、歴史上の仏を超越した絶対的な毘盧遮那仏と一体になっています。
特に、菩薩の修行の階梯を説いた「十地品」や、善財童子の遍歴を描いた「入法界品」などで有名です。東大寺の大仏についても本経の教主・毘盧舎那仏の1つであり、日本仏教の黎明期に重用されたものの、大乗仏教の中でも独自性の強い教学を持っていたため、宗勢は徐々に衰えていきました。
華厳宗を含む南都六宗では、葬儀や祭礼といった宗教儀礼は一切おこなわれません。その理由としては、南都六宗は経典の研究を目的としており、学問として生まれた宗派であるためです。華厳宗を含む南都六宗の教えには、葬儀儀礼に関わるものは存在しません。
現代においても、日本に残る南都六宗は華厳宗、法相宗、律宗となりますが、葬儀は執り行いません。ただし、絶対に葬儀をおこなってはならないというわけではなく、例えば真言宗など他の宗派のお寺に依頼し、葬儀をおこなうことは可能です。
血脈とは、仏教において法典や真理、説法と言った、法と呼ばれるものに対して師から弟子へと伝承されることを意味します。人間の場合、親から子の間で血のつながりが発生することになりますが、その血のつながりにたとえて血脈と呼んでいます。
それ以外にも、その代々の系譜を記したもののことを血脈と呼ぶ場合が多いです。お釈迦様には多くの弟子が存在し、その弟子にも弟子が存在していたことを繰り返しつつ、今日までつながってこの全ての系譜が血脈として記されているのです。
仏の弟子として戒名が与えられるケースがありますが、本来は生前に仏教徒となった時点で付けてもらうものであり、同時に血脈ももらうものとなります。ただし、現代社会においては亡くなった後に葬儀のタイミングでもらうことが一般的となっており、血脈は棺の中に収められる形が取られます。
さらに、宗派によっては火葬する棺の中に血脈をどのように引き継いでいるかをまとめた系譜図を収めるケースもあります。
献花とは、葬儀告別式の場において参列者全員がお花を1人1本ずつ献花台に供える花のことを挿します。仏式では、お焼香する形を取るのに対して、献花は仏式以外の方法でお焼香と同じ意味合いで実施するのです。また、神式の葬儀では献花ではなく榊を供える玉串拝礼を実施します。
いずれのケースにおいても、参列者が故人に対してお別れの気持ちを伝えることには変わりありません。また、献花と同じように故人にお花をお供えする行為として、供花がありますが実は大きな違いがあるのです。献花の場合、故人に捧げるものとなり別れの意味を込めて献花台に供える所作のことです。
一方で、供花はお悔やみを伝える役割があり、献花のように別れの気持ちを伝えるものではありません。言葉として似ているものですが、それぞれ目的が異なるため注意してください。また、供花は参列者が遺族に贈るものですが、献花は喪主側で用意する違いがあります。
さらに、献花と似たものとして枕花があります。枕花とは、故人と深い親交があった人から贈られる盛花、またはアレンジメントとなり、通夜までに故人の自宅へ届ける形が一般的です。
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建墓とは、お墓を建てることを指す言葉です。お墓を建てる権利のことは、一般的には永代使用権と呼び、永代に渡り一族がその地を墓所として使用する権利を得て建墓する形が一般的です。なお、お墓の土地については、公営や公園、寺院問わず大半のケースで購入ではなく貸付となります。
よって、建墓権を保有していても第三者への譲渡や売買は不可能ですので注意してください。お墓を持っていない場合、はじめに墓地選びからスタートします。墓地を決定したら、永代使用料を支払うことで墓地使用承諾証が発行されます。なお、寺院墓地などでは承諾証がないケースもあります。
次に、石材店へ依頼して墓石のデザインを決定して、彫刻する文字や書体などを決めていきます。家紋を入れたい場合、事前に家紋の種類を調べておくことをおすすめします。デザインと彫刻を決定したら石材店と正式に契約してください。
そして、基礎工事と墓石の据え付け作業に入り、完成した後に仏石に魂を入れる開眼法要を執り行います。もし、この時点で遺骨がある場合は納骨式を同時に実施するのが一般的です。埋葬する際には、状況に応じて墓地使用承諾証や埋火葬許可証といった書類が必要となりますので、事前に確認しておくことをおすすめします。