2023年お葬式用語辞典

お葬式では聞きなれない言葉をよく耳にします。
葬儀用語を五十音順でまとめていますので、ぜひご利用ください。

「ふ」から始まるお葬式用語

袱紗とは、絹や縮緬などで一重または表裏二重に作って、無地や吉祥柄などの刺繍を施したものを指します。物を包んだり、進物の上に掛けたりする方形の儀礼用絹布となります。その他にも、和菓子の一種や料理用語としても用いられることがありますが、儀礼用絹布として使用されるのが一般的です。

 

袱紗には、贈り物の金品などを包んだり、覆ったりするために使用されます。小さい袱紗のことは、帛紗と表記する場合もあります。袱紗のルーツは、貴重品などが収蔵されていた箱上に掛ける風呂敷のことです。風呂敷が贈答品を運ぶ際に、汚れや日焼け防止として使用されるようになりました。

 

やがて、1枚の布地から裏地が付いた絹製で、四方に亀房と呼ばれる房付きのものに変化し、慶弔行事の金品を贈る場合の儀礼や心遣いとして広蓋と併せて使用されるようになったのです。袱紗は、包装や覆いとしての実用性だけでなく、熨斗袋の水引がくずれたり袋が皺になったりすることを防止する意味でも使用されます。

 

また、先方の心中や祭礼を重んじて喜びや悲しみを共有する気持ちを示す意味合いもあります。熨斗袋で金封して、袱紗で包むことで礼節と肌理細やかな心遣いを示すことができます。袱紗の形状は、一般的にちりめんや絹製の風呂敷よりは小型で、包む対象については小さい正方形の布で色は進物用に使用される色となる紫だけが慶事弔事兼用で、角の1つには紐と止め具が付いている場合があります。

 

なお、袱紗は横綱土俵入りの際に、太刀持ちが陣太刀の鞘の切っ先部分を紫色の袱紗で包んだ形で持っています。

 

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副葬品とは、亡くなられた方を弔う際、または死後に必要と考えた場合に埋葬される物品のことを指します。副葬品は、人間が死を単なる現象として捉えるのではなく、特別な意味があるものとして捉えるようになってから発達したと考えられています。

 

副葬品の様式は様々ありますが、先史時代より死者と共に様々な物品が埋葬されている事実があります。火葬では、共に棺に納められ遺体と共に燃えてしまうものもある一方で、火葬後に墓に収納される段階で遺骨と共に埋葬されるケースもあります。

 

最も原初的な形としては、人間が生活するうえで必要とされる食品、または故人が生前に使用していた道具、そして心和ませる草花といった、死者自身や取り巻きの人、それを埋葬した当事者らなどによって身近な物品であったと考えられているのです。

 

今日の考古学において発掘された墳墓など埋葬跡を見ると、当時の事情がよく分かる様々な遺物が出土しています。このような活動については、現代に連なっているヒト直系の祖先だけでなく、ネアンデルタール人の社会にも存在されていたという説も有力です。

 

現代において、副葬品としては以下のようなものを入れる場合が多いです。

  • 花:故人が好んでいた花や葬儀時に祭壇に飾っていた花を納める場合が多い
  • 手紙:亡くなられた人に向けて新たに執筆したもの、または故人が生前に受け取っていたものでもよい
  • 衣服:故人が好んで着用していた衣服は、逝去した方を象徴するものとして副葬品として選ばれる場合が多い
  • 写真:故人の写真の顔は笑顔であることが望ましいとされている
  • 千羽鶴:故人が生前に入院していたケースでは、贈られた千羽鶴が贈を副葬品とする場合がある
  • 御朱印帳:冥福を祈る意味があるため、副葬品として最適

 

逆に、以下のようなものは副葬品としてはふさわしくないため、注意してください。

  • 生きている方が写っている写真
  • 金属類・ガラス類
  • 紙幣・硬貨
  • 革製・ビニール製のもの
  • 爆発物

 

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二七日忌とは「ふたなのかき」と呼び、葬儀が終わり遺骨を祭壇に置いた後、それをお墓に納骨する四十九日までの間に執りおこなわれる法要のことです。この期間は中陰と飛ばれ、初七日から六七日までの間で6回の法要を7日毎に執りおこないます。要するに、二七日は初七日の次、葬儀の日から14日後の法要となります。

 

故人は、あの世で三途の川を渡った後に四十九日で極楽にたどり着くまでの間で、生前の行動に対して裁きを受けます。二七日は、初江王(しょごうおう)が故人が生前に盗みをしていないかを調べる日とされているのです。

 

二七日のような中陰の間に執りおこなう法要については、故人があの世の裁きで許されるように遺族が祈ることによって、手助けをするための儀式となります。

フラワー葬とは、多くの花で飾られた祭壇を用いて故人を見送る葬儀形態のことを指します。葬儀においては、一般的には白木で作られた祭壇を用いられてきましたが、フラワー葬の場合は全て生花で飾られるのが特徴です。

 

葬儀と言えば、どうしても寂しい雰囲気になりがちですが、フラワー葬は華やかな印象を与えることができます。フラワー葬で使用される花は、葬儀において定番となる菊だけではなく、色鮮やかな花や洋花を使用して祭壇を飾ることも多いです。

 

よって、季節を感じさせる祭壇をデザインすることも容易です。また、故人が愛していた花で彩ることも可能であり、花により荘厳な雰囲気であったり、柔らかな雰囲気を演出できたりする効果もあります。

 

フラワー葬は比較的自由なスタイルの葬儀となるため、故人の要望に沿って祭壇をデザインしてオリジナルな葬儀を執りおこなうこともできます。フラワー葬を執りおこなう場合、専門のデザイナーや施行人が担当するケースが多く、遺族や故人に合わせた葬儀を執りおこなえます。

 

また、デザイナーによって祭壇のイメージや提案を事前に受けて、情報をシェアできるメリットもあります。フラワー葬は、仏教における葬儀が執りおこなわれることが多いものの、葬儀社によってはキリスト教や無宗教でも対応可能です。

 

フラワー葬のデメリットとしては、費用が一般的な葬儀と比較して高くなる点があります。また、宗教者への説明が必要となり、場合によっては希望するフラワー葬が執りおこなえない場合もあるため注意してください。

灌仏会とは、花まつりとも呼ばれる、仏教の創始者であるお釈迦様の生誕をお祝いするために執りおこなう仏教行事のことです。なお、古来は灌仏会と呼ばれていて、花まつりと称されるようになったのは明治時代以降となります。

 

日本を筆頭として、中国を経由して仏教が伝わった国においては、お釈迦様は旧暦4月8日、インドのルンビニで生まれたとされています。ただし、その典拠は不明であってあくまでも諸説の1つとなっています。日本では、新暦の4月8日または5月8日に花まつりをとりおこなうのが一般的です。

 

灌仏会では、この日のために制作された小さな御堂となる花御堂において、右手で天を指し左手で大地を指した誕生時のお釈迦様をモチーフとした彫像・誕生仏を安置します。これには、華やかな色や香りを持つ花により仏を供養するという意味が持たれており、花御堂は色とりどり華麗に飾られるのが一般的です。

 

また、仏が歩く道に花をまく散華と呼ばれる行いになぞらえられています。そして、花御堂に安置された誕生仏に対して、参拝者が甘茶をかけて体を洗い清め、子どもの身体健全や諸願の成就を願うのです。さらに、稚児行列と呼ばれる、平安装束をイメージした衣装を着た子供達が行列を作って、街を練り歩く行事をおこないます。

仏飯とは、仏壇にお供えするご飯のことを指します。なお、浄土真宗大谷派においてはお仏供(おぶく)という名称を用います。さらに、香飯(こうはん)やお鉢(おはち)など、地域や宗派によって名称が異なる場合があります。

 

仏飯は、仏飯器と呼ばれる器の中に、炊きたての状態で白米が盛られます。多くの場合は、仏飯器は手のひらに乗せる程度のサイズとなっており、決して大きなものではありません。仏飯器の形状は、持ち手の無い優勝カップのような形状であり、とてもシンプルなデザインとなっています。

 

仏壇に供えるご飯については、毎朝炊きたての状態の一番飯を盛るのが理想とされています。お供えのご飯は朝一番におこないますが、もし朝ご飯を炊かずにお昼以降にご飯を炊く場合は、その際にお供えするのが一般的です。ただし、朝一番であったとしても、前の晩から炊飯器で保温されていたご飯をお供えするのは好ましくありません。

 

仏壇に供えるご飯の盛り方としては、人間が大盛りのご飯を食べるイメージと同じく、仏飯器に対して高く丸い形に盛ってお供えしてください。ただし、本願寺派の場合は蓮のつぼみを連想した盛り方をおこないます。さらに、大谷派の場合はご飯を蓮の実を連想した円筒形の形に盛るなど、宗派によって異なるため注意してください。

 

仏壇への仏飯の供え方についても宗派により異なりますが、基本的に浄水と飮食は並べてお供えしましょう。湯気が出た状態でお供えして、湯気が出なくなったら下げて仏壇に供えて手を合わせた後に下げて、家族で美味しくいただくとよいとされています。

仏壇とは、仏教において仏を祀る壇全般のことを指します。なお、寺院の仏堂においる仏像を安置する壇となる、須弥壇も含まれています。一般家屋の中に常設されて、仏教の礼拝施設という位置づけとなります。

 

仏壇は、仏教寺院では本尊を祀る須弥壇である内陣を小型化したものという位置づけとなります。日本においては、先祖供養として仏壇が多く使用されています。寺院本堂の祭壇と区別して、寺院の庫裡や客殿などに置ける小型の祭壇であったり、一般家庭の仏壇であったりを指して、御内仏と呼ぶ場合もあるのです。

 

家庭内に設置する仏壇としては、チベット仏教においては屋内の壁の1面程度を占めるサイズの祭壇上に本尊や供物などを配置します。日本の仏教ではm宗派ごとに決められた様式を採用して、木製の箱である仏壇の内部に以下のようなものをまつります。

  • 本尊
  • 脇侍の像
  • 掛軸
  • 供物
  • 位牌
  • 過去帳
  • 法名軸

 

内部では、仏教各宗派の本山寺院の仏堂をモチーフとした、豪華な作りとなります。日本の仏壇を大きく分類すると、以下の種類となります。

  • 金仏壇
  • 唐木仏壇
  • 関東式仏壇
  • 家具調仏壇

 

仏壇のルーツについては、持仏堂→仏壇説と魂棚→仏壇説の2説存在します。古代インドにおいては、土を積み上げて壇を作成して、神聖な場所という位置づけとして神を祀っていました。やがて、風雨から守るために土壇の上に屋根が設けられて、これが寺院の原型となっています。なお、それを受け継いで仏壇の壇の字は土偏を使用しているのです。

 

日本においては、白鳳14年3月27日に天武天皇が「諸国の家毎に仏舎を作り、乃ち仏像及び経を置きて以て礼拝供養せよ」との詔を出しました。それにちなんで、全日本宗教用具協同組合では、毎月27日を仏壇の日としています。ただし、この詔は現在の仏壇の直接の起源とはなっていません。

 

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分骨とは、1人の故人の遺骨を2ヶ所以上の違う場所に納骨することを指します。分骨するにあたって、分骨ごとの埋葬許可書が必要となるケースもあり、勝手に行うことができない場合が多いです、また、一度納骨した遺骨を分骨するケースでは、遺族や墓地の管理者などの立会いをもって実施する必要があります。

 

分骨したい場合は、主となる骨壺から分骨用に準備した小さい骨壷に移す形が一般的です。なお、すでに骨壺に入った状態ではなく骨揚げするタイミングで分骨するケースもありますが、この場合において小さい骨壺には喉仏の骨を入れる場合が多いです。

 

すでにお墓に埋葬した状態の遺骨の一部を分骨したい場合、墓地の管理者から分骨証明書の発行を受けて、石材店に依頼して墓石より遺骨の一部を取り出してもらいます。そして、分骨先の墓地の管理者に分骨証明書を提出した上で、納骨してください。

 

火葬場で分骨したい場合、葬儀社に対して分骨を希望したいことを伝えて、分骨用の骨壷を準備した上で火葬場管理者に対して火葬証明書の発行を依頼してください。そして、火葬場管理者から分骨証明書の発行を受けて、火葬場において分骨用の骨壷に分骨してもらって分骨先の墓で納骨します。

 

分骨する場合、単独の判断ではなく必ず遺族の了承を得たうえで実施しないと、トラブルに発展する可能性が高いです。また、仏教において最も大事とされる喉仏について、本山納骨では喉仏を含んだ遺骨の一部を本山へ持参する風習があるため、喉仏をどのお墓に収めるかについては、慎重に検討しなければなりません。

 

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プレニードとは、日本語では生前契約などと訳され、生前の段階で本人または家族が葬儀の内容をチェックして、具体的な条件を示して葬儀社などと契約を結んでおく行為のことを指します。欧米では、自分の葬儀であったり墓所であったり、サービスを生前に決定して支払しておくサービスが普及しています。

 

これにより、保険会社や葬儀社などを介して多くの方がプレニードしているのです。実際に、アメリカの葬儀において15%程度はプレニードで執りおこなわれていると言われています。欧米では一般的に利用されるプレニードですが、日本ではまだまだ普及しているとは言いがたい状況です。

 

それは、プレニードと生前予約の2つが存在しているためと考えられています。生前契約であるプレニードの場合、事前に契約を交わして前払いまたは生命保険によって葬儀費用を払う契約を締結します。要するに、この時点で明確な金銭に関する意思確認が行われる形です。

 

葬儀の費用を考えた場合、どうしても細かな点で相違が発生しがちですが、プレニードの場合は葬儀の大まかな部分は事前にすべて決定しておくのです。これに対し、生前予約はプレニードほど厳密に金銭面の取り決めをせずに、自由度が高い特徴があり、明確な契約書は交わさないケースも多くあくまでも口約束となります。

 

プレニードによって事前に費用が明確になる反面、親族など周囲の方から理解が得られないケースも多いです。また、生前の段階で葬儀について取り決めすることは縁起が悪いと考える親族も多く、トラブルの原因になるリスクがあるため注意してください。

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