お葬式では聞きなれない言葉をよく耳にします。
葬儀用語を五十音順でまとめていますので、ぜひご利用ください。
西方極楽浄土とは、仏教において極楽の世界のことを指す言葉です。仏教書では、極楽は西方十万憶仏国土をすぎたところと記されているため、西を向いて拝むことは、極楽浄土に向かってお参りすることになるとされているのです。
極楽浄土は、浄土三部経の中にある仏説阿弥陀経で詳しく説かれています。はるかかなた昔において、阿弥陀さまが悟りを開いた後で西方十万億仏土の彼方に浄土を作り、現在もこの極楽浄土で人々を救うために説法しています。
極楽浄土の考え方は、お釈迦さまが生きている時代には存在しなかった考え方となりますが、中国の天台宗の教えの中では、浄土という考えが広まりました。これを契機に、日本にも持ち込まれて広がったとされています。
浄土の考えにおいて、この世を含めて六道は穢れた世界であることに対して、浄土の場合は悟りを開いた人だけが到達できる世界とされています。西方十万億仏土の彼方とは、とてつもなく遠い場所という意味というだけでなく、煩悩にとらわれている間は決して到達できない世界となるのです。
西方極楽浄土の場合、現在の世界での距離感や方向とは若干異なり、輪廻とは無縁の世界でありどの世界にも存在しないとされています。