臨済宗とは、中国の禅宗五家である臨済、潙仰、曹洞、雲門、法眼の1つです。中国や日本、台湾、韓国などに信徒を持っていることで有名です。日本仏教においては、禅宗の1つであり、鎌倉仏教の1つでもあります。曹洞宗が単一教団であるのに対し、十五派に分かれて活動しているのが特徴です。
中国禅宗は、達磨大師がルーツとされています。6代目である慧能禅師は、中国の南部に広がった南宗禅の祖として有名です。その系統を受け継ぐ形で、唐の時代に臨済宗の祖である臨済義玄が臨済宗を創設しました。
臨済義玄は、悟りを開く行為は自分そのものに向き合うことだという考えのもとで、教えを広めたのです。9世紀当時は、唐の末期を迎えており、戦や飢饉によって社会は荒廃していたため、自分を信じるという教えが一気に広まりました。
日本では、鎌倉時代に中国の当時の宋に渡った栄西が、臨済宗黄龍派より禅法を授かった証明となる印加を受けました。栄西は、その後帰国して1195年に聖福寺を建立して、禅道場としたのです。
臨済宗は、鎌倉幕府や室町幕府のフォローを受けて、特に武家政権などの上流階級を中心に広まりました。臨済宗では、礼拝をおこなう際には以下の方法が用いられます。
- 低頭:立ったままで頭を下げる
- 胡跪:片膝を立ててひざまずく
- 揖:叉手の状態のままで頭を下げる
- 門訊:合掌した状態で低頭する
- 大門訊:両手を円を描くように合掌して低頭する
また、臨済宗の葬儀は以下の構成となっています。
- 授戒:故人に仏門に入るための戒律を授けて仏の弟子とする
- 念誦:僧侶が経典を読みあげる
- 引導:仏性に目覚め仏の弟子となる故人を導師が浄土へ旅立たせる
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