お葬式をいざ執りおこなうとなった場合、当然費用がかかります。
お葬式では多額の費用がかかることで知られており、ある程度資金的に準備しておく必要があります。
また、葬儀の種類によってかかる費用が異なるため、平均相場を理解しておくことも重要です。
では、お葬式にかかる平均相場はどのようになっているのでしょうか。
この記事では、お葬式の平均相場や、費用を安くするコツについて解説します。
葬儀の平均相場について
葬儀の平均相場については、執りおこなう葬儀の種類によって費用が大きく異なります。
現代社会においては、主に以下3つの種類の葬儀を執りおこなう場合が多いです。
- 火葬式
- 一日葬
- 家族葬
各葬儀における、平均相場について解説します。
火葬式
火葬式とは、直葬とも呼ばれる葬儀の種類で、一般的には通夜式や葬儀式、告別式は執りおこなわず火葬のみを行う葬儀のことです。
火葬式の場合、主に以下のような形で執りおこなう場合が多いです。
- 葬祭ホールなどにおいて故人と対面してお別れした後に出棺、火葬場で火葬を執りおこなう
- 遺族が直接火葬場に集合して棺の到着後に短いお別れをおこなう火葬を執りおこなう
- 故人の関係者は火葬に立ち会うことなく、火葬後に葬儀社から家族へ遺骨を引き渡たされる
上記パターンでも、当然費用が大きく異なります。 火葬式の場合にかかる費用は、約20万円が相場となっています。
この費用とは、葬儀社に支払う費用と火葬場に納める火葬料金の合算となるのです。
ただし、オプションを付けたりサービスを追加したりした場合、遺体の状態や利用する火葬場によっては40万円以上の費用となるケースもあります。
それでも、ほかの葬儀と比較すると安く抑えられるメリットがあります。
一日葬
一日葬とは、お通夜を執りおこなわず、一日で全日程を終了する葬儀の種類となります。
お通夜においては、一般的には通夜振る舞いを執りおこなうケースが多いです。
通夜振る舞いでは多くの飲食接待費がかかりますが、これをカットできるだけでも大きな費用の圧縮が期待できます。
さらに、火葬の後に執りおこなう精進落としは一日葬でも執りおこなう場合が多いですが、参列者が少人数となる場合が多く、一般葬ほど飲食費はかからない場合が多いです。
ほかにも、会葬礼状や香典返し、返礼品にかかる費用も少なくすむメリットもあります。
以上により、一日葬にかかる費用は45万円程度が相場となっています。
火葬式の場合より若干費用がかかるものの、それでも一般的な葬儀と比較すると4割程度の費用で執りおこなうことが可能です。
家族葬
家族葬は、近年故人の遺志や経済的な理由などによって、選択される場合が増えている葬儀の形式です。
.家族葬の明確な定義はないものの、一般的には30名程度までの比較的小規模で親族や親しい人のみで執りおこなう葬儀のことを指します。
なお、家族葬では一日葬のスタイルで実施する場合も多く見られます。 ほかにも、葬儀の案内をした方のみが参列するのが家族葬です。
家族葬の場合、平均的な相場としては96万円程度となっており、規模などに応じて40万円から150万円程度かかる場合もあります。
葬儀費用の内訳
葬儀を執りおこなう場合の費用としては、大きく以下の3種類があります。
- 葬儀一式費用
- 飲食接待費
- 寺院費用
各種類の詳細な内訳は、以下のとおりです。
葬儀一式費用
葬儀一式費用とは、葬送儀礼をおこなうにあたって必要となる費用です。
一般的には、セットっとなっているためトータル金額でしか把握できない場合が多いです。
また、必要なものがあればオプションの形で追加していくことになります。 葬儀一式費用の明細は、以下のとおりです。
品目 | 相場 | 詳細 |
遺体の搬送費 |
10km まで:1万円~2万円程度 |
病院から自宅などの安置場所まで搬送する料金。搬送の距離に応じて料金が加算され、深夜や早朝には割増料金が加算されるケースもある。 |
安置費用 | 1万円/1日 | 葬儀社や火葬場に存在する安置施設に、遺体を預ける場合にかかる費用が相場と言われている。 自宅に安置する場合は安置費用は掛かりませんが、日数分のドライアイスの費用が別途かかる。 |
祭壇 |
白木祭壇:単体30万円 |
葬儀式場に飾る祭壇が変わると全体的な葬儀費用も大きく変動する。花祭壇の場合、基本オーダーを受けて製作にとりかかる。 |
棺 | 3万円~20万円 | 合板のものや木製の無垢のもの、彫刻されたものまで、さまざまな種類があり値段に差が生じる。 |
骨壺 | 1万円~5万円 | 遺骨を納めるための容器であり、陶製が基本。ただし白や青磁、大理石といった、柄も無地や柄入りまでバリエーションが多い。 |
遺影写真 | 1万円~3万円 | 画像データや写真の原本からきれいに加工し額に入れて飾られる。昔は白黒写真が一般的であったが、現在はカラー写真がスタンダードとなっている。 |
供花 | 1基:1万円~2万円 | 供花とは祭壇の両脇に並べて供えるお花のことを指すが、基本的には喪主が用意することはない。 |
供物 | 1篭:1万円 | 果物や缶詰などを盛り篭にする形が一般的となっている。 |
飲食代 |
通夜振舞い:2,000円~3,000円程度/人 |
参加する人数によって全体の費用が異なる。 |
葬儀式場 | 数万円~20万円 | 一般的に式場が広くなるほど高くなる。公営斎場か民営斎場によっても費用が大きく異なる。 |
出棺車両 |
走行距離10km まで:1万円〜5万円 |
棺を葬儀式場から火葬場まで運ぶための車両。斎場と火葬場が同じ敷地の中にある場合、出棺車両は不要。 |
火葬料・待合室使用料 |
火葬料:無料~6万円以上 |
公営の火葬場の場合、市民であれば無料で利用できる場合がある。 |
人件費 | 1万円~3万円/人 | 葬儀を担当するスタッフの人件費。 |
また、上記以外にも以下のようなオプションを付ける場合があります。
- 祭壇の生花装飾のボリュームアップ
- 生花装飾のグレードアップ
- 棺や骨壷のグレードアップ
- 案内看板の追加
- 外部設営
- 湯灌師や納棺師の依頼
- メモリアルコーナーの追加
- メモリアル商品の製作
- 送迎車両
飲食接待費
飲食接待費は、先の一式費用に追加されているものとなりますが、通夜振る舞いや精進落とし以外にも様々な飲食接待費用がかかります。
主なものだけでも、以下があります。
品目 | 相場 | 詳細 |
通夜振る舞いや精進落とし以外の飲食費 | 数千円/人 | 参列者が宿泊した場合の朝食や火葬場休憩室における軽食、寺院やお手伝いの方に対して支給する折詰弁当などの費用。 |
配膳人 | 1万円〜2万円 | 通夜振舞いや精進落としにおいて、料理の準備や片付け、配膳を担当するスタッフの費用。 |
会葬御礼品 | 500〜1,500円/人 | 葬儀に参列してくれたことに対する御礼の気持ちを示した返礼品となり、会葬礼状と呼ばれる挨拶状と一緒に参列者全員に配布する。 |
香典返し | 2,000円~5,000円/人 | 最近では、四十九日法要時ではなく葬儀当日に配る場合がある。 |
寺院費用
寺院費用とは、主にお坊さんに対してのお布施などの費用となります。
また、サポートしてくれた方に対しての心付けも該当します。 寺院費用の内訳は、以下のとおりです。
品目 | 相場 | 詳細 |
お布施 | 相場はない | お布施は、故人を供養してくれた僧侶に対して包む謝礼を指す。 基本的には相場はなく、お寺に直接尋ねて決定するのが一般的である。 |
御車代・御膳料 | 御車代:5,000円〜1万円 御膳料:5,000円〜1万円 | お布施とは別に送迎の代わりに交通費として渡すのが御車代、食事のおもてなしの代わりに包むのが御膳料となる。 なお、家族で送迎に対応したり、会食に同席する場合は負担する必要はない。 |
葬儀の費用は誰が払うのか
葬儀費用をだれが支払うのかについては、法律上の決まりはありません。
一般的には喪主が全額負担する場合が多いですが、相続人で分けて支払うケースもあります。
喪主は、財産相続がもっとも多い配偶者や長男が務める場合が大半です。
基本的に喪主が全額負担するものの、最近では財産の相続は兄弟平等に分配するというケースも多いです。
この場合も、葬儀費用も折半する形が取られます。
なお、故人が独身の場合や配偶者が亡くなっていて子供がいない場合は、故人の兄弟が喪主となり費用を負担するケースもあります。
もし、喪主だけが葬儀費用を負担することが難しいケースでは、父母や兄弟などの親族が負担する場合も多いです。
この場合、葬儀費用の折半額は相続した財産の割合や年収、年齢などを考慮して決定することが多いです。
もし、故人が生前に葬儀の費用負担についての契約がある場合は、契約内容に従って葬儀費用が支払われます。
葬儀費用を抑えるために確認する項目
葬儀費用は、少し工夫するだけでも大きく抑えることができる場合があります。
葬儀費用を抑えるために確認する項目としては、以下のような点があります。
- 葬祭用品や飲食代を抑える
- 費用が安い葬儀形式を選ぶ
- 公営施設を利用する
各項目の詳細は、以下のとおりです。
葬祭用品や飲食代を抑える
葬儀費用の中でも、最も高くなりがちな部分として葬祭用品があります。
棺桶などはピンからキリまであるため、購入なものを単託するだけでも数十万円の違いが生じます。
また、飲食代も参加する人数だけでなく、提供する料理の内容によって費用が大きく変動しがちです。
そこで、費用の中でも大きなウエイトを占める葬祭用品や飲食代を抑えると、より低い金額で葬儀を執りおこなえます。
費用が安い葬儀形式を選ぶ
費用を抑えることに主眼を置くのであれば、費用が安い葬儀形式を採用することが重要です。
例えば、通常の葬儀ではなく家族葬にして出席者の人数を絞ったり、火葬式を選択したりする方法があります。
公営施設を選択する
火葬場などを選ぶ場合、民営ではなく自治体が提供している施設を使用すると、無料で利用できる場合もあります。
これによって、費用を大きく抑える効果があります。
ただし、公営施設は順番待ちになる場合が多く、使用したい日時に空きがないケースもあるので注意してください。
葬儀費用に関するトラブルを防ぐ注意点
葬儀において、特に多いトラブルが高額な追加料金が発生する場合です。
見積書で提示された金額に葬儀において必要な項目が入っておらず、葬儀開始した後で多くの追加費用が発生してしまう場合です。
特に、安さをアピールしている葬儀社において発生しがちなトラブルとなっています。
葬儀プランの内容をよくチェックすると、葬儀に必須な項目は別料金と記載されている場合が多いです。
よって、見積書をよく確認して注意事項の記載がないか、必要な費用がすべて盛り込まれているかをよく確認してください。
また、費用面絵のトラブルとしては、いただいた香典で葬儀費用を賄えると考えていたものが、予想より香典の金額が集まらないという事例があります。
実際に、香典だけで葬儀費用をカバーするのは実質的に困難です。
よって、あくまでも香典は葬儀費用の一部をまかなう程度で考えておく必要があります。
ほかにも、費用という意味では互助会において葬儀費用の積み立てに対してトラブルが発生しがちです。
相互会で費用を積み立てていたのに対して、葬儀終了時点で数倍の請求額を支払うことになったという事例も多く見られます。
相互会を利用する場合は、積立金の契約内容をしっかりと確認してください。
まとめ
お葬式の平均相場は、規模などによって大きく異なります。
また、形式によっても大きく異なり、火葬式となれば通常の葬儀と比較して大きく費用を抑えることが可能です。
今回紹介した情報を参考にして、少しでも費用を抑えつつ理想的な葬儀を実施したいものです。
日本終活セレモニーでは、葬儀に関する情報をわかりやすく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。