父が85歳で大往生を遂げました。尾道市東土堂町の坂の途中にある古い家で、父は長年暮らしてきました。尾道水道を見下ろすこの家は、父にとって何よりも大切な場所でした。「この坂道を毎日上り下りしながら、尾道の風景を眺めて生きてきた。最期もこの家がいい」と、父は常々話していました。
父が亡くなったのは、秋の穏やかな日でした。窓からは尾道水道に浮かぶ船が見え、向島の山々が夕日に染まっていました。私たち家族は、父の遺志を尊重し、自宅での家族葬を決めました。しかし、尾道市には提携の葬儀場がなく、さらに坂の途中という立地で自宅葬ができるのか不安でした。
そんな時、近所の方から日本終活セレモニーを紹介され、すぐに連絡を取りました。担当者の方は「尾道の地形も承知しております。坂道での搬送や、狭い路地での対応も経験がございます」と言ってくださり、その日のうちに現地確認に来てくださいました。
実際に家を見ていただくと、確かに坂道の途中で道幅も狭く、大きな車両は入れない状況でした。しかし、スタッフの方は「大丈夫です。小型の車両を使い、必要な機材は人力で運びます。お父様が愛されたこの場所で、必ず葬儀を実現します」と心強い言葉をかけてくださいました。
準備段階では、父が趣味で撮影していた尾道の風景写真を祭壇周りに飾る提案をいただきました。千光寺や文学のこみちを写した写真、尾道水道の夕景など、父の愛した尾道が祭壇を彩りました。また、狭いスペースでも参列者がゆっくり過ごせるよう、効率的な配置を考えてくださいました。
葬儀当日、坂道を上ってきた親戚たちは、息を切らしながらも「お父さんが毎日この坂を上っていたんだね」と感慨深げに話していました。読経の間、窓から見える尾道水道には汽笛が響き、父が生前好きだった音が式場に届きました。
スタッフの方々は、坂道という難しい条件の中でも、全てをスムーズに進めてくださいました。棺の搬送も、複数のスタッフが協力して丁寧に行い、近隣の方々への配慮も忘れませんでした。火葬場への移動の際は、父が散歩で通っていた尾道の古い町並みを通り、最後に父が愛した街を見ながらの旅立ちとなりました。
火葬後は、自宅に戻り、尾道水道を眺めながら家族で食事をしました。「父はこの景色を見ながら、幸せだったんだね」と、みんなで話し合いました。坂の途中という困難な立地でも、日本終活セレモニーのスタッフは父の願いを叶えてくれました。心から感謝しています。




