母が82歳で静かに息を引き取りました。三原市宗郷の田園地帯に建つ我が家で、母は長年農業を営みながら、近所の人たちとの交流を大切にしてきました。晩年は体調を崩し、自宅で療養していましたが、「最期はこの家で家族に囲まれたい」という母の願いを、私たち家族は何としても叶えたいと思っていました。
母が亡くなったのは、田植えの季節を迎えた初夏のことでした。宗郷の田んぼには青々とした稲の苗が植えられ、母が愛した風景が広がっていました。葬儀をどうするか考えた時、母が慣れ親しんだこの家で行うこと以外は考えられませんでした。
三原市には提携の葬儀場がないため、自宅葬を専門に扱える葬儀社を探していたところ、農協の知人から日本終活セレモニーを紹介されました。電話で相談すると、担当者の方が「農家のお母様の葬儀、心を込めてお手伝いさせていただきます」と温かい言葉をかけてくださり、すぐに自宅まで来てくださいました。
訪問時、担当者の方は母が大切にしていた庭の花々を見て、「お母様が育てられたお花を祭壇に飾りましょう」と提案してくださいました。また、農家としての母の人生を表現するために、母が使っていた農具や、収穫した米を神棚に供えた写真なども飾ることを提案いただきました。
葬儀当日は、家族と近所の方々が集まり、母を囲んで思い出を語り合いました。祭壇には母が育てたバラやアジサイが飾られ、部屋いっぱいに優しい香りが広がっていました。読経の間、窓の外では田んぼを渡る風が心地よく吹き、まるで母が「ありがとう」と言っているかのように感じられました。
スタッフの方々は、農村地域特有の事情にも配慮してくださいました。農道を通る車両の誘導や、近隣の方々への挨拶回りなども一緒に手伝ってくださり、地域に根ざした葬儀を実現することができました。火葬場への移動も、母が毎日眺めていた宗郷の田園風景を通る道を選んでくださいました。
火葬後は、自宅で親戚や近所の方々と会食をしました。母が作っていた漬物や、収穫した米で炊いたご飯を囲みながら、母の人柄や思い出話に花が咲きました。農業一筋で生きてきた母を、住み慣れた家と田んぼが見える場所で送ることができ、家族一同心から満足しています。日本終活セレモニーの細やかな配慮のおかげで、母らしい温かい葬儀となりました。




