香典をいただいた場合、香典返しをお渡しすることになります。
また、郵送で香典返しを送付するケースがありますが、その場合はお礼状をお渡しするのが一般的です。
さらに、お礼状はそのままお渡しするのではなく、封筒に入れた状態でお渡しすることになります。
お礼状を入れるための封筒を選ぶ際には、適切なものを選定しなければなりません。
また、封筒に記載する文字の書き方やお礼状のルールがあり、失礼に値しないように対応する必要があります。
ここでは、お礼状に使用する封筒の選び方や書き方、入れ方について徹底解説します。
香典返しを郵送するときはお礼状を添えよう
香典をいただく場合、必ずしも手渡しの形で受け取るわけではありません。
遠方に住んでいて、葬儀などに参列できない場合は郵送されたものを受け取るケースがあります。
もし、郵送で香典を受け取った場合はお礼状を郵送で送っても特に問題はありません。
むしろ、香典をいただいたことに対して何もお礼しないことは失礼に値するため注意が必要です。
改めて、お礼状について解説すると、お世話になった相手に対して、感謝の気持ちを文書で伝える方法のことです。
感謝の気持ちは言葉でも伝えることができますが、文面として改めてお礼を述べるとより趣深い感情を抱いてもらえます。
以上より、お礼状は香典をいただいたこと以外にも、お供えをいただいた場合などでも用いられます。
香典返しを手渡しするならお礼状は不要
お礼状は、必ず必要になるものではなく、基本的には香典返しを手渡しする場合には不要となります。
これは、香典を受け取って香典返しをお渡しする際に言葉でお礼を述べるために、改めてお礼状の形で感謝の意を示す必要はないためです。
もちろん、より丁寧にお礼をしたい場合はお礼状をお渡ししても問題ありません。
なお、言葉でお礼を述べる際には「ありがとうございます」という言葉はなるべく避けてください。
これは、ありがとうございますという言葉によって礼に礼を重ねることとなり、不幸を重ねるという意味となってしまうためです。
香典返しの場合、そもそも香典に対するお礼となるため、以下のような言葉に置き換えて挨拶してください。
- 恐れ入ります
- 恐縮です
お礼状を封筒に入れる理由
お礼状を送付する場合、はがきに記していくのではなく封筒に入れて送付するのが一般的です。
なぜ、封筒に入れて送るのかと言えば、内容などを見られてしまうリスクがあるためです。
特に、自分の住所を見られてしまう可能性があるため、封筒に入れてお渡しするのが一般的となります。
また、香典返しの品物と合わせて送付するケースが多いですが、その場合でもお礼状だけは封筒に入れてから同封してください。
これにより、相手に好印象を持ってもらえる可能性が高まります。
冠婚葬祭などでは、人付き合いやマナーが重視される傾向にあるため、今後の付き合いなどを考えて封筒に入れてお渡ししてください。
お礼状に適した封筒とは?
お礼状を入れる封筒についても、適切なものを選定しなければなりません。
ここでは、封筒の選定方法や封筒への記載方法を詳しく解説します。
マナー違反とならないように、ここで紹介する内容に注意してお礼状を送付してください。
封筒選びで気を付けたいマナー
はじめに、お礼状を入れる封筒の色にについては、特に理由がない限りは基本的に白色を選定してください。
封筒と言えば茶封筒を連想しがちですが、茶封筒は基本的に請求書などのビジネス用途であったり、事務用で使用されるケースが多いものです。
お礼状のように、感謝の気持ちをこめるお礼状で使用するのには向いていません。
逆に、事務用途で白封筒を使うのは特にマナー違反とはなりません。
また、基本的には模様の入ったデザインのものではなく、無地の封筒を選定しましょう。
例外として、筋模様のデザインだけは問題ありませんが、特にこだわりが無い場合は無地の封筒を選定するのがベターです。
また、個人的なお礼状を送付する際には、弔辞を除いて二重封筒がマナーとなります。
ただし、会社の取引先であったりお客様に対してお礼状を送る場合は、一重封筒を用いるのが一般的です。
紙質については、なるべく和紙に近い素材の白地が適切です。
これは、お礼状自体が和紙を使用するケースが多いため、封筒の素材も合わせた方が良いためとなります。
封筒の表面の書き方
封筒の表書きとしては、シンプルに「ご挨拶」という言葉のみを記載します。
通常、郵送する際には自分の住所や氏名などを記載しますが、お礼状を入れる封筒には特に必要ありません。
ただし、香典返しとお礼状を複数準備する場合は、封筒に氏名を記載して誤送付を防止する方法があります。
特に、昨今では新型コロナウイルスの影響により香典を郵送で受け取るケースが多くなっており、それに連れて香典返しとお礼状も郵送するケースが増えています。
よって、お礼状の手配ミスを防止するために、お礼状の封筒に対して宛名を記載したりメモした付箋を貼付する対応が有効的です。
封筒の裏面の書き方
封筒の表面にも、表面と違って喪主の住所と氏名を記載するのがマナーです。
なお、故人に関する情報についてはお礼状などで細かく記載するため、裏面には書く必要はありません。
また、香典返しやお礼状の中で住所を記載した場合、裏面は氏名だけ記載して住所は省略しても問題ありません。
郵便番号が記載されていない真っ白な封筒を用意できないケースでは、印刷されている封筒を用意しましょう。
便箋の折り方・封筒への入れ方
封筒の準備ができたら、実際にお礼状を入れる作業をおこないます。
実は、入れ方にもマナーがあって失礼に値しないように対応しなければなりません。
大前提として、手紙が複数枚にならないという点があり、通常市販されているお礼状の場合は一枚で完結できるカードタイプを用います。
また、文字数が多くなる場合は、二つ折りタイプなどがあるため最適なものを使い分ける対応が必要です。
紙の質感やデザインの幅を加味して、自分の書くスタイルに合ったものを選定してください。
なお、紙の素材やサイズよりも、丁寧に封筒に入れてお渡しできるかがマナーの基準となります。
二つ折りの場合は折れ曲がったりしないように入れて、封筒の表とお礼状の表を合わせるなどの対応が必要です。
香典返し・お礼状の郵送方法
香典返しやお礼状を郵送する際には、適切な手順を遵守して対応する必要があります。
ここでは、香典返し・お礼状を送るタイミングやマナーを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
香典返し・お礼状を送るタイミング
香典返しやお礼状を送付するタイミングとしては、忌明け法要後一か月以内が目安となります。
法要後すぐに贈られる方が多いですが、実際には忌明け法要や納骨を済ませて、すべて完了したことを報告する意味で香典返しをおこなうのが通例です。
また、神式やキリスト教式の葬儀においても、仏式に倣って忌が明けた後に香典返しに該当する品を用意するケースが多いです。
ただし、あくまでも通例であり近代では法要後すぐに贈るケースが多くなっています。
香典返・お礼状を郵送する際のマナー
お礼状は、香典返しの品に添えて送付しても特に問題ありませんが、より丁寧な対応を図る場合は香典返しの品を送る前にお礼状を先に送付すると良いでしょう。
これにより、香典返しを受け取る側としては、香典返しの品がいつ頃到着するかの目処を付けられるメリットがあるためです。
また、宅配便で贈る場合は、先方からいただいた弔意に対する感謝を伝えるために、のし紙を付けて香典返しの品を贈ってください。
さらに、ゆうパックや宅配便の送り状を、のし紙がかかっている包装紙などに直接貼付するのはマナー違反となるため、注意が必要です。
まとめ
香典返しを宅配などで贈る場合、お礼状を同封するのが一般的です。
お礼状は、感謝の気持ちを伝える手段でありますが、適切に対応しないと失礼に値するケースが多いため注意が必要です。
今回紹介したポイントに注意して、お礼状を準備してください。
日本終活セレモニーでは、葬儀や法事などのマナーについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。