合同葬という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
通常の葬儀は、○○家葬儀式というタイトルになり、主催は亡くなられた人の家になります。
それに対し合同葬では、主催者が2人(団体)以上いるお葬式のことになります。
一般的には、会社の葬儀である社葬と、その対象となる故人の家との合同のお葬式というケースで合同葬という使い方をされますが、会社が複数ある場合や、会社と所属団体との合同の葬儀という場合でも合同葬というタイトルが付けられます。
この記事では、合同葬の流れや合同葬のメリットデメリット、そして合同葬を実施する際の注意点などを詳しく解説していきます。
合同葬をお考えの方は、ぜひ最後まで御覧ください。
合同葬とは?一般葬との違いを解説
一般的に葬儀は亡くなった方の家が主体となって執り行われ、式場や会葬礼状などにその葬儀式のタイトルとして「○○家葬儀式」や「○○家葬儀告別式」などと記載されます。
それに対し合同葬は、2つ以上の団体や個人(家)が合同で実施する葬儀という意味になり、「○○家・株式会社○○合同葬儀」「株式会社○○・株式会社□□合同葬儀」などと記載されます
有名な合同葬では、令和2年10月17日に実施された「故中曽根康弘」内閣・自由民主党合同葬儀があります。
これは、内閣と自由民主党が合同で開催した葬儀という意味になります。
地方で主に目にする合同葬は、会社の創設者とその家との合同葬が多く、「株式会社○○・○○家合同葬儀」というタイトルで実施されています。
一般葬との違いは、主催者が2つ以上いるかいないかの違いです。
通常の一般葬では、主催者は亡くなった故人の家だけであり、その葬儀に関する費用負担はその家(喪主または施主)が全て受け持つことになります。
それに対し合同葬では、実施する主催者が合同で費用を負担することが一般的です。
合同葬の流れ
合同葬とはいえ、葬儀の流れは通常のお葬式と基本的にほとんど変わりません。
ただし、合同葬は比較的大規模な葬儀になることが多いため、まず遺族だけで通常の葬儀を執り行い、後日、合同葬を改めて実施する場合もあります。
このケースでは、いわゆる「骨葬」という葬儀の流れと同様のものになることが通常です。
下記に一般的な合同葬の流れをご紹介します。
地域や宗派等によって多少前後する部分もございますので予めご了承ください。
①一同着席
②導師(宗教者)入場
③開式の辞
④読経(宗教儀式)
⑤弔辞・弔電披露
⑥参列者焼香
⑦導師(宗教者)退出
⑧喪主・葬儀委員長挨拶
⑨お別れ
⑩出棺
以上が一般的な合同葬の流れになりますが、開式前や導師退出後などに故人の業績や人となりを表現するメモリアルムービーの上映や、ナレーションの挿入、関連するイベント等を実施する場合も多くあります。
合同葬のメリット・デメリット
それでは次に、合同葬を実施する際のメリットデメリットについて解説していきます。
合同葬を検討されている方は、是非参考にしてください。
合同葬のメリット
合同葬のメリットは、複数の関係者に対し、一度に葬儀を実施して集まっていただく事ができることです。
葬儀とは、故人を送り出す葬送儀式という面と、ご縁ある皆様と故人とのお別れの告別式という面があります。
これに、合同葬の場合は「世代交代を知らせる」といった役割が追加されるのです。
多くの場合、合同葬は会社関係の葬儀であることが多く、取引先や関係各所の人に
「故人がいなくても、しっかりとした後継者と事業基盤がありますので、安心してこれからもお付き合いをよろしくお願いいたします。」
ということを、暗に伝えるという役割です。
合同葬を実施する最大のメリットは、この3つ目の役割を果たすことであると言えるでしょう。
合同葬のデメリット
合同葬を実施する上でのデメリットは、「準備が大変」「費用がかかる」ことです。
合同葬の場合、どうしても葬儀規模が大きくなりますので、それにかかる準備は通常の葬儀の比ではありません。
会場も大勢の参列者を収容できる葬儀場を確保しなければいけません。
お知らせの手配、供花供物の注文とりまとめ、来賓や弔辞を読んでいただく方への依頼や連絡と、遠方から来ていただく場合は宿泊施設の手配、受付係・案内係・接待係・警備員などの手配が必要です。
ほかにも、駐車場が不足することが予想される場合は臨時駐車時用の確保とシャトルバスの手配など、普段の葬儀ではそれほど気にしなくても良い項目一つ一つが全て膨大な作業に変わっていきます。
最も気を使うのは、来賓リストや席順の決定、いただいた供花供物の並び順の決定などです。
さらに、食事の手配も忘れてはいけません。
こうした準備の大変さと、それにかかる費用等が増加することが、合同葬のデメリットと言えるでしょう。
合同葬の注意点
合同葬を実施する場合の注意点は、前述したデメリットの内容と重複しますが次の通りです。
・訃報の内容と発信先(新聞の訃報に掲載するかなど)
・葬儀委員長の選定と依頼
・来賓、弔辞の選定と依頼
・各係員の選定と配置
・供花供物の受付窓口の設置
・供花供物の並び順
・来賓席の席順
・VIPが来る場合はVIP用控室の準備
・駐車場の確保
・喪主、葬儀委員長の挨拶文作成
・その他
このように、合同葬の注意点は挙げだしたらキリがないくらいたくさんあります。
これらの事をなるべく問題なくスムーズに進める一番のコツは、実績ある葬儀社に依頼することに尽きます。
また、実績ある葬儀社に依頼したとしても、実際は、采配を取り仕切る担当ディレクターの力量に成否がかかっていると言っても過言ではありませんので、経験豊富な担当者を付けていただくことも重要な注意点と言えるでしょう。
参列者の整理
合同葬では、前述した注意点にあるように訃報の発信先つまり参列者の整理も大事なポイントになってきます。
どこまで連絡をするかによって、参列者数が大きく変動することがあります。
参列者数によって、葬儀場のキャパシティーを考えて選定しなければいけません。
また、ご連絡をしなければいけない要人に対して連絡が漏れてしまうようなことがあってもいけません。
そのため、一般葬でも参列者の整理はとても重要なポイントですが、合同葬など大型の葬儀では、その重要性は更にアップします。
会社との合同葬であれば、営業だけでなく総務や経理関係者、会計や財務担当者なども含めてしっかりと参列者の整理をすることが必要と言えるでしょう。
費用の把握
合同葬では、あらゆる規模が大きくなることが多いため、費用も増加します。
また、ご遺体がある状態で実施する合同葬であれば、様々な手配の大変さに加え「時間が限られている」という条件もついてしまいます。
そのため、色々な手配に対して時間を優先するために、管理が雑になってしまうことがよくあります。
もちろん、葬儀に間に合わないのは本末転倒なのですが、だからといって無限にコストをかけて良いわけではありませんので、指揮系統と会計とがしっかり連携して、適切に費用の把握をしていくことが大切です。
まとめ
この記事では、合同葬について解説をしてきました。
合同葬は、通常の葬儀とくらべて大きな負担がかかります。
それは、費用面ももちろんですが、どちらかと言うと手配や采配といった面での負担が大きく、葬儀社、そして主催側の取り仕切りをする方の力量が大きく問われるイベントです。
合同葬を検討される方は、ぜひこの記事をご参考にしていただき、実績ある葬儀社やスタッフに依頼するようにしていただければ幸いです。