家族葬とはどんなお葬式のことなのでしょうか?
最近、葬儀を家族葬で実施される方が非常に増えています。
ある調査では、7割以上の葬儀が家族葬で実施されている地域もあるそうです。
家族葬とは、字の通り「家族葬を中心として執り行われる葬儀」が一般的な認識です。
実態に合わせてもう少し丁寧に表現すると、「家族を中心とした近親者のみで執り行われる小規模な葬儀」を業界では家族葬と呼んでいます。
この家族葬、一般葬とは何が違うのでしょうか?
また、家族葬を実施するにあたって費用はどれくらいかかり、注意点はどんなことなのでしょうか。
家族葬を検討しているあなたにとって有益な記事になっておりますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
家族葬とは?定義をご説明
家族葬とはどんなお葬式なのでしょうか。
そもそも家族葬とは、葬儀社が小規模な葬儀を商用的に売り出すために名付けた名称です。
それ以前は、家族だけで周りに知らせずに行う葬儀のことを「密葬」と呼んでいました。
周りに秘密にして行う葬儀、という意味で使われていたのです。
しかし、この密葬という言葉も、本来の意味からは少し外れています。
密葬とは本来、故人の立場からどうしても大規模な葬儀になってしまう時に、いきなり大規模な葬儀を実施するは準備面で大変であることから、まず家族や近親者のみで密葬を行い、そして後日、本葬を行う「密葬・本葬」とセットの言葉になります。
しかし、家族葬という言葉が生まれる前までは、自死された方や事情がある方が、周りに知られないようにひっそり行う葬儀のことを、他に適切な言葉がなかったため「密葬」と呼んでいました。
ところが、長引く不況や高齢化、核家族化が進んで行く中で、「特別な事情はないけど家族だけで周りに気を使うことなく家族だけで葬儀をしたい」という希望をされる方が増えてきました。
このような希望に対し、ある葬儀社が商用的に付けた名称が「家族葬」になります。
また、よく勘違いされる方がいらっしゃるのですが、家族葬という葬儀があるわけではありせん。
家族葬はあくまで「葬儀の規模」を表す言葉です。
つまり、仏教形式の葬儀を家族葬で行う、キリスト教形式の葬儀を家族葬で行う、無宗教形式の葬儀を家族葬で行うという表現が正しい使い方になります。
家族葬の定義
これは、冒頭でもご紹介した通り、「家族を中心とした近親者のみで執り行われる小規模な葬儀」のことになります。
この定義でも分かるように、実際に“明確”な定義はありません。
家族葬は何名まで、とか、家族葬に呼んで良いのはどこまでといった区切りもなく、ざっくり言えば「ご近所や会社関係の方など、特にお付き合いが深くない方には来ていただかない」くらいの表現の方がピッタリかもしれません。
一般葬との違い
家族葬と一般葬の違いは、参列していただく方(連絡をする方)に制限を設けるか設けないかの違いです。
家族葬では、主に家族を中心とした近親者のみで執り行われますが、一般葬では従来のお葬式のように会社関係の方や、ご近所などにも広くお知らせをして参列していただきます。
家族葬がおすすめな人の特徴
家族葬がおすすめな人の特徴は次の条件に当てはまる方になります。
葬儀は周りの人に気を遣わず家族だけで執り行いたい
家族葬は、家族や近親者のみの葬儀であることから、一般葬と比べれば周りに気を遣う必要がありません。
葬儀費用を抑えた葬儀をしたい
また、参列者が少ないことで会場がコンパクトで良い、華美な祭壇にしなくても良い、返礼品や食事といった付帯費用が少なくて済むなどの理由から、費用を抑えることができます。
従来のシキタリや風習に縛られない自由な葬儀がしたい
最近は無宗教のお葬式など、従来の形にとらわれない葬儀を希望する方が増えています。
一般葬のように外野が多いお葬式では、周りの意見が多くて自分たちの思い描く葬儀ができない場合もありますが、家族葬であれば関係者の人数が少なく、コンセンサスを得られやすいため自由な葬儀をしやすくなります。
家族葬の流れ
家族葬の流れは、通夜や葬儀の参列者人数が多い少ないの差があるくらいで、基本的に従来のお葬式と変わりません。
下記に一般的な家族葬の、葬儀の流れをご紹介します。
なお、最も多い仏式葬儀の形式でご紹介させていただきます。
①一同着席
②導師入場
③開式の辞
④読経
⑤弔辞・弔電
⑥焼香
⑦導師退室
⑧閉式の辞
⑨喪主謝辞
⑩お別れ・出棺
※地域・宗派・葬儀社によって多少順番の前後があり得ます。
以上が、一般的な仏式形式の家族葬の流れになります。
家族葬のメリット
それでは次に、家族葬のメリットについてご紹介したいと思います。
家族葬を行うメリットはいくつかありますが、一番のメリットとしては、「ゆっくりお別れができる」ということでしょう。
一般的に、葬儀には大勢の方が弔問に訪れます。
一般葬の場合はそうした弔問者への対応に追われることになりますので、なかなかゆっくりお別れができないことがあるのです。
家族葬では、そうした弔問者は多くなく、ゆっくりとお別れをすることが可能になることがや、そうした挨拶などに気を使わなくて良いことも、家族にとって大きなメリットと言えるでしょう。
また、家族葬は参列者の人数が少ないことから、葬儀費用を抑えられるというメリットもあります。
参列者が少なければ、会場も小さくて済みますし、返礼品や食事関係の費用も抑えられるためです。
なお、家族葬の平均的な費用は、総額で60万円~100万円と言われています。
家族葬の業者を選ぶポイント
家族葬を行いたい場合、業者を選ぶポイントはどんなことなのでしょうか。
まず、今は全ての葬祭業者が家族葬に対応しています。
よほど大型葬を専門とした会社でない限り、家族葬ができないという葬儀社はありません。
ですから、基本的にはどの葬儀社に依頼しても家族葬は問題なく対応していただけます。
そのため、注意すべきポイントとしては次のようなことになります。
①家族葬専用の式場を所有しているか
葬儀をする会場は、葬儀社所有の葬儀場か、自宅、または火葬場などにある公営の葬儀場、そして寺院や公民館などの貸し式場になります。
この中で最も家族葬に適しているのは、設備やサイズ感などが最適化された家族葬専用葬儀場になります。
②価格は明瞭で不明点はないか
その葬儀社での葬儀費用は、事前相談をすることによって正確に知ることが出来ます。
チラシやホームページだけでは、最終的にいくら費用がかかるのか把握できない場合が多いので、なるべく事前相談などでしっかりとした見積りをもらうようにしましょう。
③スタッフの対応は良いか
葬儀業者選びと言っても、最終的には対応してくださるスタッフが親身になって相談に乗ってくれるか、適切なアドバイスをもらえるか、といった部分が重要になってきます。
お客様に寄り添った対応をしていただける業者さんかを見極めるのも、大切なポイントとなります。
式場選びのポイント
家族葬に適した式場とはどんな式場なのでしょうか。
主に次の3つを満たす式場を選定してください。
①家族葬に適したサイズ感の式場
基本的に家族葬は少人数の場合が多く、旧来からある大型の葬儀会館では広すぎる場合があります。
ご自身の参列者数にあった葬儀場を選ぶと良いでしょう。
②落ち着いて温かみのあるデザインの式場
大切な人との最後の時間を過ごす式場になります。
冷たい殺風景なイメージの式場ではなく、温かみのある式場で家族葬をしたいものです。
③適正な価格の式場
葬儀社によっては、葬儀プラン料金の中に式場使用料が含まれている場合もありますが、そうでない式場の場合、必ず使用料を確認し、総額で適正な価格であるかどうか確認する必要があります。
まとめ
この記事では、家族葬について一般葬との違いや注意点などを解説してきました。
近年は家族葬を希望される方が多く、ほとんどのお葬式が家族葬になっていると言っても過言ではありません。
しかし、全ての葬儀社や葬儀場が家族葬に適しているとは限りません。
家族葬に適した葬儀場やプランかどうかは、事前相談などでしっかりと見極めた上で、葬儀社や葬儀場を決めることが重要です。