お別れ会という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、葬儀とは違うのでしょうか?
お別れ会とは、一般的に葬儀を近親者で実施した後、1ヵ月~数ヵ月程度の時間を開けて行う儀式になります。
主に葬儀に参列した人と、それ以外の方を含む招待客のみで行われ、その多くが無宗教形式で実施されます。
この記事では、お別れ会と葬儀との違いや、費用の事や注意点などについて詳しく解説しています。
お葬式についてそろそろ考えていかなければいけない方や、お別れ会の方法について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
お別れ会とは?葬儀との違いは?
お別れ会と葬儀とは違うのでしょうか?
広義では同じものと言えますが、多くの場合はお別れ会は葬儀が終わった後に改めて実施されるセレモニーになります。
お別れ会は一般的に普通の人が行うことはあまりありません。
主に芸能人や文化人、企業の役員といった著名人が実施することがほとんどです。
葬儀との違い
葬儀とお別れ会の違いは、主に「遺体を火葬する前または直後に実施する儀式」と、「後日改めて執り行うお別れの(故人を偲ぶ)セレモニー」の違いと言えます。
つまり、葬儀はご遺体がある状態で執り行い、葬儀が終わると火葬という流れになります。
また、この葬儀は多くの場合仏教形式など宗教形式の葬儀で執り行われています。
それに対しお別れ会では、葬儀が終わって1ヵ月~数ヵ月程度期間を空け、改めて開催されるものになり、ほとんどのケースでお別れ会への参列は招待された人に限られます。
また、儀式の内容としては、宗教者を呼ばない独自のセレモニーを構築することがほとんどになります。
なお、「お別れ会形式」と表現をする葬儀もあります。
お別れ会の準備について
一般の方が実施することは珍しいお別れ会ですが、その準備について解説していきます。
普通は葬儀社やイベント会社に依頼して手配をしてもらうことが多いのですが、要領を知っていれば自分で手配して実施することも可能です。
会場や日程の決め方
まず、会場や日程を決めていきます。
葬儀が終わってからしばらくの間、遺族は大変忙しいため、1ヵ月から数ヵ月程度は時間をあけてお別れ会の日程を設定すると良いでしょう。
会場は参列していただく招待客の人数によって決定していきます。
一般的にはホテルを利用するケースが多いのですが、葬儀社によっては葬儀場を利用することができる場合もあります。
また、数百人~数千人といった参列者が予定されるような大規模なお別れ会であれば、市町にある文化会館等の公共施設を利用することもあります。
参列者が多く、会場が大規模になればなるほど、会場の予約状況等で日程確保が難しくなるため、なるべく早期に会場を決定することが重要になってきます。
日程の決定方法は、様々な条件を満たした会場の決定と、参加いただく主要な方のスケジュールに合わせて決定していきます。
お別れ会の内容
お別れ会で実施する内容については、どんな内容にすることも可能です。
故人の人となりを表現できる内容にすることが望ましいとされますが、必ず「儀式」的なものをしなければいけない訳でもありません。
故人の遺品や遺作や生前の業績などをパネル展示し、立食形式で軽食を用意して、自由に入場・閲覧していただくお別れ会もあります。
また、通常の無宗教形式のような流れの儀式を組み立てる、儀式形式のお別れ会もあります。
いずれにしても、お別れ会には決まった形式はありませんので、企画される方や手配等を依頼する業者さんと話し合って組み立てていくものになります。
お別れ会に慣れたイベント業者や葬祭業者であれば、ある程度お任せで進行していくことができるでしょう。
お別れ会の費用について
お別れ会の費用は、まさにピンからキリまであります。
数十万円でできるお別れ会もありますし、数百万円から数千万円かかるお別れ会もあります。
参列者数によって大きく変動するという点においては、結婚式をイメージしていただくと費用感が掴みやすいのではないでしょうか。
標準的なお別れ会の費用としては、参列者1名あたり1万円~2万円程度がかかると言われていますので、50名程が参列するお別れ会の場合は50万円~100万円となりますし、200名が参加するお別れ会であれば、200万円~400万円という費用がかかると言えます。
ただし、お別れ会は会費制の場合もあるため、全てが施主の負担になる訳ではありません。
お別れ会の流れについて
お別れ会の流れは、前述した通り「立食形式のお別れ会」か、「儀式形式のお別れ会」かによって大きく異なります。
立食形式のお別れ会の場合、弔辞や来賓挨拶、その他イベントを実施をすることもありますが、参列者は思い思いに食事をしたり展示物をご覧になったりと、比較的自由に過ごしていただく流れになります。
儀式を伴うお別れ会の代表的な流れは次の通りです。
- 一同着座
- 開式の言葉
- 黙とう
- メモリアルムービーの上映
- その他イベント
- 弔辞、弔電
- 献奏と献花
- 喪主謝辞
- 閉会の言葉
お別れ会は多くの場合無宗教形式で行われるため、故人の人柄や経歴、業績などを表現した自由な発送で流れを組み立てることが可能です。
お別れ会を開催する上で注意した方がいいこと
お別れ会の開催でもっとも注意すべき点は、会場の選定になります。
どれだけの参列者に来ていただくのか、どんな演出をしたいのかなどによって、会場の広さや設備といった条件が変わってきます。
音楽や映像を流したい場合であれば、映像音響設備が必要になりますし、そうした設備が整った会場となると、ホテルなど限られた施設になってきます。
また、費用の負担を誰がするかについても、お別れ会開催の注意点になります。
会社役員や創業者といった方の場合、その費用は会社が負担することが多くありますが、そうでない個人の場合は、基本的に主催者が負担することになります。
もちろん、会費制のお別れ会で実施すれば施主の費用負担は大きく抑えることができます。
また、費用については会場や飲食費の他に、演出や飾り付けにかかる部分も必要になってきますので、そうした部分の見積りをしっかり取ることも大切な注意点となります。
会場や実施内容が決まれば、実施日程の決定を進めていきます。
この日程についても、参列いただく主要な人物のスケジュールや、演出する内容によってはそれに関わる方々のスケジュールも考慮しなければいけません。
会場や実施する内容が決まれば、参列していただく方への招待や告知方法についても注意深く進めていく必要があります。
大切な方への連絡が漏れることがないように、しっかりとリスト整理をして手配を進めていきましょう。
連絡する際には、お香典や供花を受け取らない場合は、その旨を忘れないように盛り込みましょう。
まとめ
この記事では、お別れ会に関する費用や注意点、準備する内容などを解説してきました。
簡単にまとめますと次の通りになります。
お別れ会は一般の方が実施することはあまりなく、経営者や文化人、芸能人といった著名人が実施することが多く、実施するタイミングは葬儀が終わって1ヵ月から数ヵ月先になること。費用は参列者1名あたり1万円~2万円が必要になること、注意点は参列者の人数や実施する内容によって会場を選定することなどになります。
近年はコロナでお亡くなりになった方が、ちゃんとした葬儀ができなかったためにお別れ会を実施するというケースもあります。
大規模なお別れ会でなければ、通常のお葬式と同程度の費用で実施することも可能です。
新しいお別れの方法として、皆様への感謝を伝える場として、お別れ会は再注目をあびるようになっていますので、心に残るお別れ会を開催してください。