法事の際に、様々なマナーを守って対応しなければなりません。
マナーを守らないと、遺族に対して失礼に値することになり、信用を失うことに繋がります。
また、法事の際に必要となる持ち物を忘れずに持参して参列する必要があります。
では、法事の際に具体的にどのような持ち物を用意する必要があるのでしょうか。
この記事では、法事の際に必要な持ち物や、マナーや服装についても解説します。
法事の持ち物チェックリスト
法事の際には、実に様々な持ち物を持参して参列しなければなりません。
どのような持ち物が必要であるかを理解すると同時に、それぞれの持ち物にどのような意味があるのかを理解することも重要です。
意味を理解できれば、法事の際に忘れずに持っていくことができるでしょう。
具体的な、主催者側、参列者側の法事の持ち物の一覧と具体的に持っていく内容は以下のとおりです。
【主催者側】
持ち物 | 詳細 |
遺影 | 故人の人柄を表した写真を選ぶとよい。 |
埋葬許可証 | 火葬した遺骨を埋葬する際に必要となる許可証となる。分骨する場合は、場所毎に許可証を用意する必要がある。 |
本位牌 | 四十九日以降にのみ必要となる。本位牌は、故人の霊魂が宿る場所であると考えられているため、欠かさず持参する。 |
香典返し | 参列者からいただいた香典に対してお返しするために用意する。現金ではなく、カタログギフトなどの形でお返しする。 |
お布施 | お坊さんに対しての謝礼としお渡しするために準備する。 |
数珠 | お焼香の際に使用する。 |
【参列者側】
持ち物 | 詳細 |
香典 | 5,000円から10,000円程度を包んで持参し、遺族にお渡しする。地域性や故人との関係性によって金額が変わってくるので注意する。 |
お供え物 | 香典と同じく、5,000円から10,000円程度のものを用意する。お菓子や果物、お花などが定番となるが、香りの強い花や線香、とげのあるものなどは避ける。 |
数珠 | お焼香の際に使用する。 |
ほかにも、お墓に出かける際に虫よけや日よけなどを準備するとよいでしょう。
法事のマナーについて
法事の際には、順守すべきマナーがいくつか存在します。
特に、以下のような点に注意してください。
- 参列者の送迎バスを手配する
- 出欠の返事は迅速に行う
各マナーの詳細は、以下のとおりです。
参列者の送迎バスを手配する
お寺や墓所、そして会食会場が離れているケースでは、公共交通機関を利用して移動することはとても大変です。また、会食においてはお酒をふるまう機会も多く、自家用車を運転して帰ることはできません。
さらに、法事を重ねていくと施主も参列者も年を取ってしまい、また小さな子供がいる場合は遠くに移動するのも非常に難しいものです。
そこで、参列者が移動しやすいように送迎者を用意するのがおすすめです。
特に、多くの参列者がいる場合は送迎バスを手配しておくと、多少人数が多くなっても確実に全員を送迎できます。
出欠の返事は迅速に行う
法事の案内状が届いても、基本的にいつまでに返信が欲しいという記載があるのが一般的です。
ただし、期日ぎりぎりになって返信するのではなく、なるべく早く出欠の返事を出すのがマナーとなります。
その理由は、施主側としては出欠の結果から様々な手配をおこなう必要があるためです。
参列者の人数次第では送迎バスを準備しなければならず、予約しておく必要があります。
また、会食の手配についても人数によって変動しますし、引き出物の準備もあるためなるべく早く返事をしてください。
なお、返信はがきの記載方法にもマナーがあり、出席される際には御出席の御の文字は必ず二重線で消してください。
また、以下の項目を対応して返送しましょう。
- 御欠席を消す
- 敬称を消す
- 「行」を「様」に変更する
法事の服装について
法事におけるマナーの1つとして、服装も重要です。
法事における服装は、男性と女性で当然異なりますが、どのような服装で参列すればよいのでしょうか。
ここでは、男性、女性それぞれの法事における服装について解説します。
男性の場合
法事の際の服装は、三回忌までと七回忌以降で微妙に異なります。
三回忌までの場合、喪服を身に付けて参列することがマナーとなります。
三回忌とは、故人が亡くなられて満二年の年に執りおこなわれることになり、葬式や通夜を終えてからまだ期間が開いていない状態です。
三回忌までは、親族だけでなく故人と親交があった方を招いて執りおこなう形が一般的となっています。
そこで、正装で臨む形が一般的であり、喪服を着用しましょう。
男性の場合、喪服とは以下のスタイルを指します。
- ブラックスーツ
- 白いワイシャツ
- 黒い無地のネクタイ
- 黒い靴下
- 黒い靴
また、ネクタイピン使用せず、靴についても金具がないものを選択してください。
対して、七回忌以降は喪服ではなく平服で参列しても問題ありません。
平服とは、以下のような服装を指します。
- ダークスーツ(黒だけでなく紺やダークグレーも可)
- ネクタイ(黒以外に地味な色合いの色も可)
- 白いワイシャツ
- 靴下(黒のほかグレーなどダークトーンな色も可)
- 黒い靴
平服は比較的堅苦しくないものを身に付けられますが、殺生を連想させる服装は禁止されています。
また、スニーカーやサンダルなどラフすぎるものは絶対に避けてください。
女性の場合
女性の場合も、男性同様に三回忌までは喪服、七回忌以降は平服を身に付けます。
三回忌までの喪服としては、黒のワンピースやアンサンブル、またはスーツを身に付けてください。
そして、バッグやパンプスといった小物についても、黒で統一してシンプルなデザインのものを選択します。
ストッキングについても黒色のものを選択しますが、20~30デニールの薄手のものを選択するのが一般的です。
アクセサリーについては、結婚指輪をしている場合はそのまま身に付けて問題ありません。
ほかにも、一連真珠のネックレスを身に付ける場合は、真珠に限っては白でも問題ないとされています。
七回忌以降の平服としては、喪服のように黒にこだわる必要はなく、紺やグレーの服を着用可能です。
バッグやパンプスなど、小物についても黒以外を身に着けることができますが、デザインが派手なものは避けてください。
葬儀費用に関するトラブルを防ぐ注意点
葬儀において、発生することがあるのが費用に関するトラブルです。
全国の消費生活センターに寄せられる、葬儀サービスに関する相談は、実は増加傾向にあるのです。
近年は、年間で約700件以上もの相談が寄せられています。
死亡数の増加が止まらない状況において、葬儀の件数も増加することは必須な状況です。
国民生活センターでは、全日本葬祭業協同組合連合会や全ての葬儀社に対して、葬儀に関する事前や事後の相談に応じて、消費者の疑問に適切な説明や助言を実施することを提言しています。
また、葬儀サービスの内容について詳細に依頼者に説明して、見積書を提示して最新の請求金額を適宜伝えたりすることも要求しています。
このような対応を図っていても、残念ながら葬儀費用に関するトラブルは完全に防止できていません。
そこで、以下のような点に注意して費用に関するトラブルに巻き込まれないようにしましょう。
- 葬儀プランやパックプランの内容を精査して追加料金の発生有無を見極める
- 返礼品が料金内に含まれているかを確認する
- 料理や飲み物の料金が含まれているかを確認する
- 見積もり内容が明細まで記載されているかを確認する
まとめ
法事において、持ち物は非常に重要であり、もし忘れてしまうとマナー違反となってしまうケースもあります。
また、施主側としては許可書などを忘れると、許可が下りずに法事が執り行えなくなる可能性もあるので要注意です。
今回紹介した点に注意して、施主側も参列者側も必要な持ち物を忘れずに準備しましょう。