ご逝去とは?
はじめに、逝去とは死の尊敬語という位置付けの言葉となります。 逝去を敬語とするためにご逝去として使用されているケースが大半ですが、逝去は単体でも尊敬語となるのです。 よって、ご逝去という言葉は実際には二重敬語となり、本来ならマナー違反です。 しかしながら、逝去は例外的に二重敬語のまま使用できるという考え方が一般となっています。 実際に、2000年に昭和天皇の皇后様である香淳皇后がお亡くなりになった際に、新聞各社の見出しでご逝去という言葉が使用されています。 他にも、過去には社会的な地位が高い方に対して逝去という表現を使用するのは失礼だという意識より、ご逝去と使用されるようになったと言われています。 その歴史は実に古く、古くは室町時代に書かれた太平記にて「将軍御逝去の事」との言葉が使用されているのです。 ご逝去を使用するシーンとしては、主に身内以外の方がお亡くなりになった場合が該当します。 これは、相手への敬意を込める形で、逝去という言葉を使用しています。 社長や上司といった目上の立場の方だけでなく、友人や年下に対しても逝去を用いて弔意を表すのが一般的です。言葉の意味は?
逝去とは、先に紹介したとおり死の尊敬語となる言葉です。 逝という漢字字体に、死という意味が含まれており、単純に死去の死を逝に代わっているだけなのです。 死去とは、人が死んでこの世を去るという意味があります。死去との違いとは?
死去と逝去には、同じように人が死んでこの世を去るという意味があります。 死去の場合、逝去と違って主に家族や身内に使う言葉という違いがあります。 死去には、「死ぬ」という事実のみで尊敬の意味が含まれていないため、家族が亡くなったことを伝える際には死去を使用するのが正しいです。 なお、死去以外にも以下のような言葉を使用する場合があります。- 亡くなる:逝去と同じく尊敬語にあたる。主に身内に対して使用し、死去よりも少し柔らかい印象を与えられる。現在は、身内以外の方の死に対しても使用されるケースが多い。
- 永眠:永い眠りにつくという意味の言葉。死という言葉を使用しない遠回しな表現として、喪中はがきなどでよく使用される。身内だけでなく身内以外にも使用できる。
- 他界:死後の世界に行くという意味がある。身内だけでなく身内以外にも使用できる。
- 息を引き取る:息が絶えるという意味があり、主に闘病の末に死を迎えた場合に使用される。身内だけでなく身内以外にも使用できる。
- 急逝:予期せぬ死を迎えた際に使用される。身内だけでなく身内以外にも使用できる。
例文でご説明
実際に、逝去を使用する際の例文として、以下があります。- 逝去された社長を悼み、心からお悔やみを申し上げます
- ご逝去の報に接し、心からご冥福をお祈りいたします
- ご尊父様ご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します
- ご逝去のお知らせを受け、悲しみにたえません
- 小説家の○○さんが、□月△日に逝去されました
- ご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます
- 昨日、弊社社長が死去いたしましたのでご報告いたします
- 療養中だった妻が死去いたしました
- 今朝がた、母が死去いたしまいた
訃報に対する声のかけ方
訃報を受けた場合、遺族などにお声がけするのがマナーです。 これをお悔やみの言葉と呼びますが、お悔やみの言葉は、原則として短く簡潔におこなうのが一般的です。 代表的なお悔やみの言葉の例として、以下があります。- この度はご愁傷様です
- ご冥福をお祈りします
- 哀悼の意を表します
- この度はお悔やみ申し上げます
- この度は大変なことで
- 重なる
- 続く
- 再び
電話の場合
対面以外でお悔やみの言葉を伝えたい場合で、より適切な方法となるのが電話です。 他の方法よりも、より気持ちを伝えやすいため、なるべく電話で伝えるのが良いでしょう。 ただし、電話の場合は相手が着信して対応する必要があるため、電話するタイミングをしっかりと見極める必要があります。 また、手紙やメールと違って、その場で会話しなければならないため、どのようなことを伝えるべきかを事前にまとめておくことをおすすめします。 お悔やみの言葉を電話で伝える際の例文は、以下となります。勤務先の同僚の場合 お知らせいただきありがとうございます。 突然のことで言葉も見つかりません。 心からお悔やみ申し上げます。 故人に生前お世話になったお礼を申し上げたく、さしつかえなければお別れの式の日時を教えていただけますでしょうか。
友人の場合 とても辛いときに、お知らせいただきありがとうございます。 突然のことで、とても驚いています。 心からお悔やみ申し上げます。 手伝えることがあったら言ってください。
親族の場合 大変な時にご連絡いただき、ありがとうございます。 突然のことで、とても驚いています。 心からお悔やみ申し上げます。
メールの場合
メールの場合、他の方法と違って淡白に感じてしまうケースが多いです。 よって、なるべくメールは使用せず手紙などで伝えるのがベターです。 ただし、どうしてもメールで伝えたい場合は機種依存文字や絵文字は避けてください。 また、相手との関係性に関係なく、敬語や丁寧語を用いて伝えるようにしましょう。 お悔やみの言葉をメールで送る際、送付先別の例文は以下となります。上司の場合 件名:〇〇工場の△△です。お悔やみ申し上げます。 本文: ××様のご逝去に際し、心よりお悔やみを申し上げます。 大変だと思いますが、無理だけはなさらずご自愛ください。 メールでの悔やみとなりましたことを、お詫び申し上げます。 □□様の安らかなご永眠をお祈りいたします。
友人に送る場合 件名:△△より お悔やみ申し上げます。 本文: ××様のご逝去を悼み、心からお悔やみ申し上げます。 しばらくは葬儀などでお忙しいことと思われます。 気遣いや心遣いなどで、無理されているのではと心配しています。 何かあればいつでも連絡ください。 このメールで、少しでも元気になっていただけると嬉しいです。
同僚に送る場合 【タイトル】〇〇です このたびはご愁傷様です 【本文】 ご母堂様のご逝去に際し、心からお悔やみ申し上げます。 今は、本当に大変な時期と思います。 こちらは、□□部門全体でカバーしますので、留守中のことは気になさらず、どうか落ち着くまでご家族との時間をお過ごしください。 何か手伝えることがあれば遠慮なく連絡ください。