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自宅葬とは
自宅葬とは、亡くなられた故人の自宅において、通夜や葬儀などを執りおこなうことを指します。 現代の葬儀と言えば、葬儀会場などを借りて執りおこなうイメージがありますが、実は以前は自宅葬が当たり前のようにおこなわれていました。 ただし、1990年あたりから葬儀式場において葬儀を執りおこなう形が一般的になりました。 現在では、9割近い方が葬儀を斎場や葬儀会館で執りおこなっているのです。 逆に、自宅で葬儀を行うケースは5%しかない状況です。 自宅葬が減少した背景としては、地域コミュニティが薄れて近隣との交流が減ってきたこと、そして集合住宅に住むケースが増えて自宅葬が物理的にできないなどの理由が挙げられます。 自宅葬であっても、基本的な葬儀の流れは一般的な葬儀と同様です。 お通夜は、以下の流れで執りおこないます。- 納棺
- 祭壇の設営
- 僧侶による読経
- 参列者による焼香
- 喪主挨拶
- 通夜振る舞い
- 祭壇などの設営
- 僧侶による読経
- 参列者による焼香
- 喪主挨拶
- 出棺
- 火葬場に移動して火葬
- 収骨
- 精進落とし
- 自宅に戻って片付け
自宅葬のメリット
自宅葬を執りおこなうことによるメリットとしては、以下のような点が挙げられます。- 住み慣れた家で最後を迎えることができる
- 時間を気にすることなく故人とお別れができる
- 式場使用料がかからない
住み慣れた家で最後を迎えることができる
自宅葬では、住み慣れた家で葬儀をおこなうことができます。 故人にとっては、慣れない場所に移動して最後のお別れをするよりも、思い出のある家で最後を迎えることで、本人も安心することでしょう。 特に、故人の好きだったものを用意できる点が魅力的です。時間を気にすることなく故人とお別れができる
葬儀会場を使用する場合、利用できる時間が限られてしまいます。 特に、次の予定が入っている状況では、時間の延長などができないため常に時間に追われてしまう印象を受けます。 その点で、自宅葬であれば時間を気にすることなく故人と心ゆくまでお別れできるメリットがあるのです。 また、葬儀会場を利用する場合は通夜式のあとの寝ずの番であったり、斎場においてペットの立ち入りなどが制限されてしまったりしますが、それも気にする必要はありません。式場使用料がかからない
自宅葬の場合、一般的な葬儀と違って会場使用料がかかりません。 式場を借りる費用がかからないため、より費用をかけずに葬儀ができる点が魅力的です。 また、葬儀参列者があまり多くない関係上、手間も少ないというメリットもあります。自宅葬のデメリット
自宅葬では、メリットだけでなくデメリットも少なからず存在します。 主なデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。- 近隣住民への配慮が必要
- 準備や後片付けの負担
近隣住民への配慮が必要
自宅葬において、家族だけでなく多くの参加者が見込まれる場合があります。 特に、広い住居の場合は比較的多くの方が参加されても、対応できる場合が多いです。 自宅葬の場合、実際に葬儀などをおこなうノウハウがない場合が多く、予期せぬ事態が発生しがちです。 特に、葬儀に参列するにあたって家の前に行列ができてしまうと、近隣住民に迷惑をかけてしまいます。 また、お経をあげ、音響を使用したり、棺の出し入れをおこなったりする際にも、騒がしくなり迷惑をかけてしまうため注意してください。 なお、マンションなどの集合住宅においては、規約などによって自宅葬自体を禁止しているケースもあるため要注意です。準備や後片付けの負担
自宅葬では、参列者の多い場合には準備や片付けが大変です。 もし、家族だけでおこなう場合は棺や祭壇などを飾るスペースを確保しなければならない関係上、家を片付けたりする必要があります。 亡くなれて精神的にも辛い状況の中で、葬儀までに準備を進めなければならないのはかなり大変であり、自宅葬のデメリットとなります。自宅葬はどこに依頼するのか
自宅葬をおこなう場合、必ずしも家族だけで対応しなければならないわけではありません。 自宅葬を葬儀社などに依頼することも可能であり、どこに依頼するのかによって対応が異なります。 ここでは、自宅葬の依頼先として葬儀社に依頼する場合と、自分でおこなう場合を紹介します。葬儀社に依頼する場合
自宅葬で行いたい場合、基本的には葬儀社に依頼するパターンが多いです。 例えば、病院で亡くなられた故人は、お迎えを葬儀社に依頼するのが一般的です。 そこで、併せて自宅葬をおこなう旨を伝えて、準備を依頼することで、スムーズに契約まで進められます。 自宅葬で執りおこなう場合であっても、以下のような点は打ち合わせの上で決めなければなりません。- 菩提寺への依頼
- お通夜・葬儀・告別式の内容整合
- 遺影などの準備
自分で行う場合
葬儀社に依頼せず自分でおこなう場合に、最も困るのが故人の遺体の搬送や安置です。 自家用車で遺体を搬送すること自体は、法律違反とはなりません。 ただし、衛生面を考えて安置の際に必要なドライアイスの手配などは必要となります。 また、死後硬直が始まることで運転中の振動などで、遺体を損傷させるリスクがあるため要注意です。 よって、基本的には自家用車ではなく専門業者に依頼するのが一般的です。 ほかにも、火葬場の手配や式の進行などと言った、全ての事柄を遺族で準備しなければなりません。 実際に、全てを故人が亡くなった後であわただしい中で準備するのは困難です。 よって、故人が亡くなる以前から準備しておくことをおすすめします。 自宅葬の場合、通夜振る舞いや精進落としについては仕出し屋などに依頼せず、遺族で用意するケースもあります。 この場合、食料や食器は家族で準備しなければなりません。葬儀社を選ぶときのポイント
葬儀社を選ぶ際に、最適な業者を選定する必要があります。 葬儀社を選ぶ際には、以下のようなポイントで選定してください。- 葬儀費用が明確となっているか
- 実績や信頼の有無
- 支払い期日や方法が明確か
- スタッフの対応が親切か
- 複数の葬儀社で比較検討する
葬儀費用が明確となっているか
葬儀社に家族葬の準備を依頼する場合、当然費用がかかります。 自宅葬を依頼する場合の費用としては、40万円から60万円程度となります。 また、費用の内訳としては大きく以下3つとなります。- 葬儀一式費用(通夜・葬儀・告別式)
- 飲食接待費用(飲食代・返礼品)
- 寺院費用(お布施)