身内で亡くなりそうな方がいる場合、葬儀の準備を始める必要があります。
亡くなられた後に準備することもできまずが、各種手続きなどでバタバタしてしまうこともあり、なるべく早めに準備した方がよい場合が多いです。
葬儀を執りおこなう場合、葬儀社に依頼する形となりますが、事前に葬儀の内容などを打ち合わせておく必要があります。
では葬儀社との打ち合わせとは、どのようなことをおこなうのでしょうか。
この記事では、葬儀社との打ち合わせ方法やタイミング、注意したいポイントなどを紹介します。
葬儀の打ち合わせをおこなうタイミング
葬儀の打ち合わせをおこなうタイミングは、特に明確な決まりはありません。
ただし、一般的には故人を自宅や安置施設などに搬送して遺体を安置したタイミングで、葬儀を依頼する葬儀社を決定した上で打ち合わせをおこなう場合が多いです。
ただし、病院や施設などで亡くなられたケースでは、故人の遺体を自宅や安置施設に速やかに搬送しなければなりません。
遺体の搬送については、貨物自動車運送事業法に従って、国土交通大臣より一般貨物自動車運送事業の許可を受けた事業者でなければ対応できず、葬儀社に依頼するケースが多いです。
そこで、亡くなられてすぐのタイミングで、葬儀を依頼する葬儀社と打ち合わせする場合があります。
なるべく事前相談しておくのがベター
急病や事故などで亡くなられた場合を除き、徐々に病気が進行して危篤になった場合などでは、事前に葬儀に向けた準備を進める時間的余裕があるものです。
そこで、可能な限り事前に葬儀社に対して事前相談しておくのがおすめです。
葬儀社に対して事前相談しておくことで、以下のようなメリットがあります。
- 葬儀に関する不安などを払拭できる
- 複数の葬儀社を比較検討でき最適な葬儀社を選べる
- 葬儀費用を事前に把握できる
- 事前準備をスムーズに進められる
各メリットについて、詳しく解説します。
葬儀に関する不安などを払拭できる
特に初めて葬儀を依頼する場合、何かと不安に感じることが多いものです。
基本的に葬儀社が主導となって進めてもらえる反面、自分自身で決断しなければならない項目もあります。
また、葬儀と一概に言っても様々なプランがあるため、どのプランを利用すればよいかも悩むことでしょう。
葬儀社との事前相談において、本人や家族の意向に即して最適な葬儀プランを提案してもらえますが、もし疑問点などを葬儀社に質問や相談すれば、不明点が解消でき、より適したプランを見つけることができます。
葬儀のプロである葬儀社では、葬儀に対する知識や経験が豊富なスタッフが対応してもらえるので、葬儀に関する知識がなくても葬儀社が最適なプランが決定するまでサポートしてもらえます。
もし葬儀に関して分からないことがある場合、事前相談で気兼ねなく相談してください。
複数の葬儀社を比較検討でき最適な葬儀社を選べる
葬儀社は、各地域で多く存在しており、それぞれの葬儀社で特徴が異なることです。
例えば、シンプルな葬儀で費用を抑えたプランを提供している葬儀社がある一方で、希望する演出を実現してもらえる葬儀社も存在します。
事前相談すれば、複数の葬儀社を対象として葬儀プランを比較や検討できる点がメリットとなります。
どの葬儀社でも事前相談に対応しており、複数の葬儀社から事前相談を受けても特に問題にはなりません。
事前相談することで、葬儀社の対応状況も確認できる点も魅力的です。
葬儀社はサービス業となり、スタッフの対応1つで満足度が大きく異なるものです。
故人との別れの儀式となる葬儀において、失敗だけは避けたいものですが、残念ながら葬儀社選びを誤ると葬儀がスムーズに進行できない場合があります。
そこで、事前相談によって葬儀社の対応を確認すれば、失敗を回避することができます。
葬儀費用を事前に把握できる
葬儀社との事前相談により葬儀プランを確認しておくことで、具体的な葬儀費用も事前に把握可能です。
葬儀費用が事前に決めておくことで、必要以上に費用がかかってしまうことを回避できます。
また、葬儀費用の予算が決まっている場合は、予算額を伝えることにより葬儀者側が予算に収まるようプランを提案してもらえる場合が多いです。
必要になる葬儀費用の事前準備も可能となり、費用に関わる他の計画を立てやすくなるメリットもあります。
遺族の葬儀費用の負担を減らせるだけでなく、葬儀費用を巡って親族間でのトラブルを防止できる点も大きなメリットです。
事前準備をスムーズに進められる
葬儀社との事前相談によって葬儀内容の詳細を事前に決めておけば、亡くなられた後に葬儀プランに従って準備を進める形となります。
これによて、準備内容の詳細も把握できるため、事前準備を余裕を持って進めらるメリットがあります。
葬儀を執りおこなうまでの準備として、様々な話し合いが必要になりますが、事前に準備しておくことで慌てずに対応できる点が魅力的です。
葬儀社側としても、事前相談の内容に従って段取りすればよいため、葬儀の準備を信頼して任せることができ、故人との最後の時間を追われることなく大切に過ごせます。
葬儀社との打ち合わせに向けた事前準備
葬儀社との打ち合わせをおこなう場合、事前に準備しておくとスムーズに打ち合わせできる場合が多いです。
具体的には、以下の点について事前準備して打ち合わせに臨んでください。
- 遺影用の写真
- 宗教宗派の確認
- 葬儀のイメージと予算
葬儀において、祭壇に遺影を飾ることになりますが、葬儀社に対して遺影となる写真の素材を渡す必要があります。
遺影は、基本的に故人の人柄が表れていてなるべく自然な表情で写っているものが望ましいです。
また、明るく鮮明な素材で亡くなられた年齢になるべく近いものを選ぶのがベターです。
多くの素材がある場合、どの写真を遺影として使用するのかとても悩む場合が多いため、葬儀社との打ち合わせに臨む前に準備しておくことをおすすめします。
次に葬儀をどのような宗教や宗派に基いておこなうのかについて、確認しておく必要があります。
同時に、菩提寺や葬儀を依頼する教会・神社を決めている場合は、名称や連絡先を把握しておいてください。
もし菩提寺が無いケースや故人や遺族の意向次第では、無宗教や自由葬により葬儀を執りおこなうことも選択しなければなりません。
最後に、葬儀をどのようなイメージでおこなうのかについて決めてくことをおすすめします。
故人の意向によって、シンプルな葬儀がよいのか故人の趣味などを活かした葬儀がよいのかなどを決めておかないと、利用する葬儀社の選定や実際に葬儀のスタイルを決めるときに悩んでしまいがちです。
また、演出によっては費用がかさむケースもあるため、葬儀にかけることができる予算も事前に決めておいてください。
葬儀社と打ち合わせする主な内容
葬儀社との打ち合わせにおいては、主に以下の内容を決定していきます。
- 喪主の決定
- 葬儀のプランや費用の決定
- 葬儀を執りおこなう場所や日時
- 式場内や料理など
- 葬儀全体の流れ
- 各種係とお手伝いの有無
- 戒名のランクや司祭者の送迎
各内容について、詳しく解説します。
喪主の決定
葬儀社との打ち合わせの初期段階で、早急に決定しなければならないのが喪主の決定です。
喪主とは、葬儀に関して最終決定権を持つ者のことであり、実際には葬儀社を決定する権限もあります。
また、喪主には以下のような職務があります。
- 通夜や葬儀の日時の決定
- 関係者への連絡
- 葬儀の手配
- 弔問客への応対
- 通夜におけるあいさつ
- 僧侶への応対
- 葬儀内容の決定
- 葬儀におけるあいさつ
- 金銭の管理
- 世話役やご近所へのお礼
- 葬儀終了後の後片付けや御礼など
喪主は、基本的に以下の順番で決まります。
- 故人の配偶者
- 故人の長男
- 故人の次男以降の直系の男子
- 故人の長女
- 故人の次女以降の直系の女子
- 故人の両親
- 故人の兄弟姉妹
また、故人の遺書によって指名されている場合は、その人が喪主を務めることになります。
葬儀を行うときには喪主を立てるのが一般的であり、葬儀社としても複数の人と話するより喪主との話し合いを進めた方がスムーズに打ち合わせを進めることができるのです。
なるべく葬儀社との打ち合わせ前に決めておくのがよいですが、まだ決まっていない場合は打ち合わせの最初のステップとして決定してください。
葬儀のプランや費用の決定
葬儀の打ち合わせにおいて、どのようなイメージで葬儀を執りおこなうのかを決める必要があります。
故人の遺言によって希望する葬儀がある場合、基本的にその内容を実現できるように葬儀社と話し合う必要があります。
同時に、葬儀にかかる費用に関してもしっかりと打ち合わせしておくことが重要です。
費用については聞きづらい面もありますが、予算以上の費用がかかってしまって後悔することがないよう、しっかりと確認することをおすすめします。
また、葬儀プランに含まれるものと含まれないものとして、どのようなものがあるのかを確認することが重要です。
例えば、基本セットでは以下のようなものが含まれない場合が多いです。
- 宗教費用
- お料理や返礼品など
- 安置所や斎場・火葬場などの施設使用料
- お布施
場合によっては、追加費用が多く発生して予算を超えてしまうケースもあるため、しっかりと見積もりを取得して含まれないものをよく確認してください。
葬儀を執りおこなう場所や日時
葬儀の打ち合わせにおいて、葬儀をいつ・どこで執りおこなうのかについて整合します。
火葬を執りおこなう場所や式場を決定した後、会場の空き状況や都合を鑑みて最終決定します。
葬儀を執りおこなう場所としては、なるべくアクセスのよい場所を選ぶのが鉄則です。
また、葬儀の規模によっては大きな会場を利用しなければならないなどもあり、葬儀社との間でしっかりと打ち合わせて最適な会場を利用してください。
葬儀の日時については、お坊さんの都合に合わせたり、六曜という考え方もあります。
友引は友を引きずりこんでしまうと考えられており、葬儀を執りおこなうのは適切でないと考える人が多いため、なるべく避けて決定するなどの配慮が必要です。
式場内や料理など
葬儀の打ち合わせでは、プランを決定すると同時に葬式場内のことや料理なども決定しなければなりません。
祭壇や棺の種類はどれにするのか、通夜振る舞いの料理はどの程度用意するのかを決める必要があります。
祭壇や棺の種類によっては、当然費用が大きく異なりますが、故人の意向もしっかりと反映させて最適なものを選定してください。
通夜振る舞いの料理については、一般的な相場としては2,000円から3,000円程度が一般的ですが、大皿料理とするのか1人1膳とするのかなどを決める必要があります。
葬儀全体の流れ
葬儀がどのように進行していくのかについて、全体の流れを打ち合わせ時に決定する必要があります。
通夜式の当日までにどのような準備が必要なのか、納棺式はどのように執りおこなうのかなどを決めておくことで、滞りなく準備を進められるのです。
また、細かな点では式場内における席の決定や喪主の挨拶のタイミングなど、数日にわたって執りおこなわれる葬儀の流れを把握してください。
各種係とお手伝いの有無
葬儀では、喪主ひとりで執りおこなえるわけではなく、様々な人の力添えがあって初めて成立するものです。
葬儀社の協力だけでなく、親族や近所の方の協力も必要となります。
例えば、受付は故人の孫や叔父、叔母、甥や姪といった、直系ではない親族や知人などに依頼する形が一般的です。
また、会計や案内なども役割分担して対応する必要があります。
葬儀の打ち合わせにおいては、必要な役割や人員数を確認した上で、親族以外でフォローの依頼要否を判断して、必要に応じて葬儀社に依頼してください。
戒名のランクや司祭者の送迎
場合によっては、司祭者との打ち合わせが必要なケースがあります。
寺院の場合は、戒名のランクを決定したり食事の席への参加有無、葬儀会場までの交通手段を決定したりしなければなりません。
葬儀社との打ち合わせ時における注意点
葬儀社と打ち合わせする際には、特に以下のような点に注意して進めることをおすすめします。
- プランの中身をしっかりと確認する
- トータルでかかる費用を確認する
- 要望ははっきりと伝える
- 支払い方法についてよく確認する
- 経験者と一緒に打ち合わせに臨むのもおすすめ
各注意点について、詳しく解説します。
プランの中身をしっかりと確認する
葬儀社との間で葬儀のプランを決定する際には、プラン内容をしっかりと確認してください。
先に紹介したとおり、基本セットなどのプランではあくまでも最低限なものしか費用に含まれていない場合が多いです。
プランの内容については、各葬儀社によってばらばらであり、相見積もりを取得する際にも具体的にプランに含まれる内容をチェックしてください。
これにより、実際に準備を進める上で思わぬ追加費用がかかってしまうことを防止できます。
トータルでかかる費用を確認する
プランの中身をしっかりと確認すると同時に、葬儀社に支払う以外の費用もしっかりと確認しておく必要があります。
葬儀社のセットに含まれない費用としては、主に以下のようなものがあります。
- 寺院などの司祭者へのお布施
- 火葬費用など
ただし、葬儀社によっては上記もセット内容に含めている場合もあります。
要望ははっきりと伝える
故人が亡くなられて傷心している状況ではあるものの、故人を気持ち良く送り出すためには、葬儀を滞りなく執りおこなうことが重要です。
そこで、故人が希望する葬儀の内容があれば、遠慮なく要望としてはっきりと伝える必要があります。
また、葬儀社によってはプランを押しつけるような形で提案する場合もありますが、不要と感じるのであればしっかりと断って希望を伝えるようにしましょう。
支払い方法についてよく確認する
葬儀を執りおこなう場合、多額の費用がかかります。
葬儀費用の平均は110万円程度と言われており、内訳は、以下のとおりです
- 基本料金:約67万円
- 飲食代:約20万円
- 返礼品:約22万円
葬儀にかかった費用は、大半が葬儀終了後から10日以内に支払う必要がある場合が多いです。
葬儀の費用を支払う方法としては、主に以下3つがあります。
- 現金
- クレジットカード
- 葬儀ローン
手持ちの現金がない場合、クレジットカードや葬儀ローンを利用することになりますが、どの葬儀社でも支払い方法として用意されているわけではありません。
もし現金で支払うことが難しい場合は、支払い方法についても打ち合わせの段階でよく確認してください。
経験者と一緒に打ち合わせに臨むのもおすすめ
葬儀社との打ち合わせは、葬儀に関することを決める喪主が主導しておこないます。
ただし、喪主となった場合でも初めて葬儀を準備する場合、経験がないためどのように進めればよいか悩みがちです。
当然、葬儀社からのサポートを受けられるものの、葬儀社によっては自社に有利なプランを押しつけるなどの行動を取る場合があります。
そこで、既に葬儀の準備を経験した親族などに同席してもらって打ち合わせすれば、より冷静に判断して最適な葬儀を準備できる可能性が高まります。
まとめ
葬儀を執りおこなう場合、葬儀社との打ち合わせはとても重要な作業となります。
特に、葬儀の内容については、打ち合わせにおいてしっかりと要望を伝えておくことで、故人を気持ち良く送ることができる葬儀を実現できます。
しっかりと事前準備を進めて、葬儀社との打ち合わせに臨んでください。
葬儀関連でお悩みがある場合、日本終活セレモニーでは手厚くサポートさせていただきます。